
公共建築工事標準仕様書の鉄筋工事をよく読めと言われたけど、
どんな事が書いてあるのかよく分からないっス
こんなお悩みを解決します。

現役現場監督の私が、しっかり解説します。

この記事は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版の鉄筋工事の記述内容を要約した記事です。新人現場監督が理解しやすくまとめ、現場で施工管理を行う際に注意すべき点を整理しました。本記事では、6つの節ごとに要約説明とチェックポイントをまとめ、現場での確認・指導・記録の参考にできる内容としています。
1節 共通事項
鉄筋工事の基本的な管理事項をまとめた項目です。配筋状況の確認、使用材料の品質、施工手順の遵守など、工事全体を通じて常に意識するべき事項が定められています。適切な施工管理を行うことで、構造躯体の品質と安全性を確保できます。※詳しい記事はこちら。
チェック項目 | 確認理由 |
---|---|
配筋状況の写真記録を確実に行う | 後工程でのトラブル防止と品質証明のため |
仕様書と施工図の整合確認 | 施工ミスを未然に防ぐ |
鉄筋のかぶり厚さを現場で実測 | 耐久性と構造性能の確保 |
2節 材料
鉄筋の種類・強度・寸法などの規定と、材料受入時の確認方法をまとめています。仕様書に適合しない材料が使われると、構造強度に重大な影響を与えるため、受入時と使用前に必ず確認を行い、不適合品の使用を防止します。※詳しい記事はこちら
チェック項目 | 確認理由 |
---|---|
受入時のミルシート確認 | 製造ロットと強度性能の確認 |
JIS表示の有無と状態 | 規格外品の混入防止 |
錆・油・泥等の付着確認 | 付着物による接着不良防止 |
3節 加工及び組立
鉄筋の加工寸法・曲げ加工・定着長さなどの管理と、正しい配筋位置・間隔の確保が求められます。特に重ね継手部や定着長さの確保は構造安全上極めて重要であり、加工精度と現場での組立精度を徹底して管理します。※詳しい記事はこちら
チェック項目 | 確認理由 |
---|---|
加工帳の寸法と現物確認 | 加工ミス防止と施工図通りの施工 |
定着・重ね継手長さの実測 | 構造耐力の確保 |
スペーサーと型枠のかぶり確認 | コンクリートのかぶり厚さ維持 |
4節 ガス圧接
ガス圧接継手は、有資格者による施工と、施工前後の継手部の検査が重要です。施工管理者は必ず作業状況を立会い確認し、検査結果の記録と共に、規定温度や加圧時間などの施工条件もチェックしなければなりません。※詳しい記事はこちら
チェック項目 | 確認理由 |
---|---|
資格証の確認と掲示 | 無資格施工の防止 |
加熱状況・温度・時間の確認 | 規定条件の遵守 |
継手部の外観・寸法検査 | 施工不良の早期発見 |
5節 機械式継手
機械式継手は部品の寸法・形状・締付管理が施工品質を左右します。取付前の製品確認、取付後の寸法検査、トルク管理などを確実に行い、施工記録も漏れなく整理しておくことが重要です。※詳しい記事はこちら
チェック項目 | 確認理由 |
---|---|
製品寸法・形状確認 | 規格外品の排除 |
継手部のトルク確認 | 締付不良の防止 |
取付状況の写真記録 | 施工状況の証明と記録 |
6節 溶接継手
鉄筋の溶接継手は、溶接方法・施工資格・施工条件の管理が求められます。溶接作業は特に欠陥が発生しやすいため、外観検査と超音波探傷検査などを確実に実施し、記録を保管することが必須です。
チェック項目 | 確認理由 |
---|---|
施工資格の確認 | 無資格施工防止 |
外観検査・寸法測定 | 初期欠陥の確認 |
超音波探傷検査の実施 | 内部欠陥の確認 |
まとめ
鉄筋工事は構造躯体の性能を左右する重要な工種であり、仕様書と施工図を正しく理解し、適切な施工管理を行うことが求められます。特に受入検査・加工・組立・継手施工時の管理を徹底し、記録を残すことが品質・安全管理の基本です。
参考資料
- 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版
- 国土交通省:公共建築工事標準仕様書