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公共建築工事標準仕様書

公共建築工事標準仕様書 用語の定義とは

新米くん

公共建築工事標準仕様書の1章1節にある用語の定義の内容を知りたいっス。

こんなお悩みを解決します。

所長

現役現場監督の私が、しっかり解説します。

建築工事では、発注者・受注者・監督職員が共通のルールのもと円滑に工事を進めるため、標準仕様書が用いられます。その冒頭に記載されているのが「用語の定義」です。この部分を正確に理解しておくことで、現場でのやり取りや提出書類の内容、検査対応もスムーズになります。新人現場監督の方にとっては少し硬い内容に感じるかもしれませんが、ここを押さえておくとトラブル防止や品質確保に大きく役立ちます。今回は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版の第1章1.1.2用語の定義について、現場監督目線でわかりやすく整理しましたので、ぜひ現場業務の参考にしてください。

 

📖 監督職員

発注者側の工事監理担当者で発注者若しくは発注者に委託されて現場を監理する人の事です。契約書に記載された「監督職員」「監督員」「監督官」のこと。と、仕様書には記載されています。

👉補足:現場で一番の権限を持つ「発注者側の責任者」。監理者の事です。設計担当者が委託されて行う場合が多いです。

新米くん

監督員だけど、現場監督の事ではないっスね。

 

📖 受注者等

工事を請け負った会社(受注者)や、その現場で発注者の窓口になる「現場代理人」も含む。

👉補足:現場のまとめ役で、監督職員と連絡を取り、現場の指揮を行うキーパーソン。

所長

現場監督がこれに該当するね。

 

📖 監督職員の承諾

受注者等が監督職員に書面で申し出た内容を、監督職員が書面で承認すること。

👉補足:「口頭」ではなく必ず書面。記録を残し、トラブル防止のために重要。

新米くん

承諾は必ず書面で貰うっス。

 

📖 監督職員の指示

監督職員が必要事項を書面で受注者等に伝えること。

👉補足:現場の進め方や対処方法を指示する内容。口頭のみの指示ではないので注意。

所長

言った言わない論争にならない様に書面で貰おう。

 

📖 監督職員と協議

受注者等と監督職員が話し合い、結果を書面に記録すること。

👉補足:意見のすり合わせの場。結論を曖昧にしないため、必ず記録を残す

新米くん

定例の打合せとか会議の事っすね。

 

📖 監督職員の検査

施工中に受注者等がまとめた品質管理記録を確認し、設計図書通りかを確認する作業。

👉補足:受注者の「自主検査後」に行われる。記録類の事前整理が重要。

所長

検査って言葉だけで、身が引き締まる!

 

📖 監督職員の立会い

監督職員が現場に来て、指示・承諾・協議・検査・調整を直接行うこと。

👉補足:事前に日程調整・必要資料の準備が必要。立会い不備は工事停止の原因に。

新米くん

境界とか、基準確認とか配筋検査とか色んな立会いがあるっス。

 

📖 監督職員に報告

工事状況や結果を書面で監督職員へ伝えること。

👉補足:トラブル時や変更時も速やかに書面報告。口頭報告のみはトラブルの元

所長

毎月の月間報告書って作るの大変なんだよね~。

 

📖 監督職員に提出

工事に関わる書類や資料を説明しながら監督職員に渡すこと。

👉補足:ただ渡すだけでなく、内容の説明とポイント整理が求められる。

新米くん

大事な書類は提出し忘れたら大変っス!

 

📖 基本要求品質

工事物件の完成時、及び各施工段階で求められる品質の基準

👉補足:「この品質は必ず守るべき基準」。施工ミスは是正対象になる。

所長

どこまで求められているかを把握しておこう。

 

📖 品質計画

設計図書で求められる品質を満たすため、受注者がまとめる品質の目標と管理計画

👉補足:「どんな材料を使い、どう施工し、どう管理するか」の計画書。

新米くん

これはとても重要な事っス!計画なしに施工は出来ないっス。

 

📖 品質管理

品質計画に基づき、施工中に品質を維持するための管理作業

👉補足:「施工中に決めた通りできているか」を確認・記録する工程。

所長

計画したら終わりではなく、計画通りに工事を進めよう。

 

📖 特記

標準仕様書の「1.1.1(4)の(ア)〜(エ)」で指定された特別な指示事項。

👉補足:質問回答書、現場説明書、特記仕様書、設計図書以外の別冊の図面など

新米くん

この特記を見落とすと、大変な事になるっス!

所長

特記は見落としたらダメだよね~。特記はね、覚えておかないと。

 

📖 書面

発行年月日と氏名が記載された正式文書

👉補足:日付・氏名・押印忘れは無効になる場合も。必ず確認。

新米くん

日付や氏名がないと正式な文書として認められないっス!

 

📖 工事関係図書

工程表、施工計画書、施工図、工事写真、試験記録など工事に関わる書類全般。

👉補足:「現場の記録と証拠」。提出時は整理・誤字脱字チェック必須。

所長

これは理解しやすい用語だね。

 

📖 施工図等

施工図、現寸図、工作図、製作図など、工事の詳細をまとめた図面。

👉補足:これを基に施工するので、読み違い防止と図面整合確認が重要。

新米くん

これも理解しやすいっス!

 

📖 JIS

産業標準化法に基づく日本産業規格。

👉補足:部材の寸法・性能基準。仕様書や材料選定で頻出。

所長

この辺りに踏み込むには、かなり知識が必要!

 

📖 JAS

日本農林規格。木材・農産品等の国家基準。

👉補足:特に木工事・内装下地等で確認対象。

新米くん

JASは日本農林規格。JASSは建築工事標準仕様書。ややこしいっス!

 

📖 規格証明書

設計図書の規格・基準に適合していることを第三者が証明する書類

👉補足:材料搬入時に確認。受領・保管・提出の管理を徹底。

所長

最近はどんな製品にもこれが必要になってきましたね。

 

📖 一工程の施工

同じ材料・施工方法でまとめて行う作業のまとまり。監督職員の承諾が必要

👉補足:作業単位を区切って施工し、検査・記録をまとめやすくする。

新米くん

この用語っていつ使うんスか?

 

📖 工事検査

完成時や出来形確認のため、発注者・検査職員が行う完成確認の検査

👉補足:事前確認を怠ると是正指示→手戻りの原因に。要チェック。

所長

これはわかる!

 

📖 技術検査

品質確保法に基づき、発注者が施工中・完成時の品質・施工状況を確認する検査。

👉補足:通常検査より厳格。事前準備・記録整理が必須。

所長

品確法が関わると呼び方が変わるのか!まあ、検査は検査だよね

 

📖 概成工期

総合試運転・調整を行うため、他工事も含めた支障のない状態にするべき期限。

👉補足:この日までに関連工事も完了させる必要あり。工程調整が重要。

所長

ここをもっと明確に無理のない工期設定が出来る様に明記して欲しいです!

 

まとめ

監督職員と受注者等の役割や書面によるやり取りは、工事品質とトラブル防止の要です。
品質計画・管理や各種検査は設計図書の基準を守るために不可欠で、書類の管理・記録整理が工事の円滑な進行を支えます。
正確な理解と現場での徹底が、確実な施工品質確保に繋がります。

 

参考資料

 

-公共建築工事標準仕様書