
生コンクリートの受入検査って何を検査すればいいんスか?
こんなお悩みを解決します。

現役現場監督の私が、しっかり解説します。

👷♂️ コンクリート打設前に必須!生コンクリート受入検査とは
建設現場ではコンクリート打設前に、生コンクリートの品質を確認するための受入検査が実施されます。生コンクリートは工場で製造され、運搬される過程で品質が変化する可能性があるため、現場到着時に設計通りの性能を有しているか確認することが重要です。主にスランプ試験・空気量試験・温度測定・塩化物含有量・強度確認のための供試体(テストピース)採取などを行い、基準値内であれば打設を開始します。この記事では、生コン受入検査の目的・方法・チェックポイントについて詳しく解説します。

コンクリート打設前に必ず必要な検査なんスね
👷♂️ そもそも生コンクリートとは
生コンクリートとは、セメント・水・砂・砂利・混和剤を適切に配合し、所定の性能を有する状態で工場から現場に運搬される固まる前のフレッシュコンクリートのことです。打設現場に到着して打設するまでの管理が重要で、品質不良のまま打設をすると、構造物の耐久性や強度に影響を及ぼすため、受入検査で状態確認を行う事が必要です。

固まる前のコンクリートを生コンクリートと呼ぶよ。
👷♂️ 受入検査とは
受入検査とは、生コン工場から現場に到着したコンクリートが、設計図書(構造図)通りの品質・性能を満たしているかを確認する検査です。スランプ・空気量・温度・塩化物量などの試験を行い、基準値内であれば打設許可を出し、コンクリート打設を開始します。もし基準外であれば、是正処置・打設中止などの判断を行う重要な検査です。
👷♂️ 受入検査の種類と概要
試験名 | 内容 | 基準値例 | 試験タイミング |
---|---|---|---|
スランプ試験 | 流動性の確認 | 設計スランプ±2.5cm | 打設前(初回)以降は打設数量による |
空気量試験 | 耐久性の確認 | 4.5~6.0% | 打設前(初回)以降は打設数量による |
温度測定 | 品質・硬化性の確認 | 35℃以下 | 打設前(初回)以降は打設数量による |
塩化物含有量 | 鉄筋腐食防止 | 0.30kg/m³以下 | 打設前(初回)以降は打設数量による |
供試体採取 | 圧縮強度確認 (後日試験) | 設計基準強度以上 | 打設前(初回)、打設時採取(監理者指示) |
👷♂️ 現場監督のチェックポイント
✅試験頻度の確認 | 1台目は必須。その後は監理者の指定する数量毎に行う必要がある為、事前に確認すること。 |
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✅試験場所の確保 | 水平な場所で、直射日光の影響を受けない日陰の場所で行う。日陰がない場合はテントなどで日陰を作る。 |
✅納品書の確認 | 試験前に生コンクリートの配合(強度、スランプ値、粗骨材寸法)を納品書で確認する。 |
✅記録漏れ防止 | 全試験データの記録が書かれた黒板と一緒に、供試体(テストピース)を撮影して記録を残す。 |
✅供試体の養生方法 | 採取後、監理者の要求する適正な養生環境で供試体を保管する。 |
👷♂️ まとめ
コンクリート打設の品質管理の第一歩が受入検査です。スランプ・空気量・温度・強度など、各項目を基準値をクリアーした生コンを打設しなければ、構造物の耐久性・安全性を守れません。試験状況の確認、試験結果の記録も現場監督の重要な職務。確実な管理を心がけましょう。