現場では「確認」が大切って聞きましたが、
いつ何をどう確認すればいいかわかりません。
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- 上司からの指示内容を「確認」しよう
- 職人さんが仕事をする前に事前「確認」をしよう
- 職人さんからの質問、要望はすぐ「確認」をしよう
- 作業完了後の上司への報告前に「確認」をしよう
現役ゼネコン現場監督の私がしっかり解説します。
上司からの指示内容を「確認」しよう
上司からの指示内容を「確認」する理由
- 上司の指示内容が自分の理解とあっているか確認する為
- 上司の指示内容が情報不足だった場合に具体的な情報を得る為
- 上司の指示内容の意味を理解する為
上司の指示内容を5W1Hで埋めることで確認する
上司の指示って口頭たっだりメールだったり書面だったり様々だと思いますが、
一度指示されただけで100%理解出来る人は相当優秀だと思います。
むしろほとんどの人が100%理解出来ないと思っていいと思います。
上司の指示の意図を自分なりに解釈して、その内容を上司に伝えてみましょう。
例えば、
上司:「4階次工程に移るのに問題ないかチェックしてきて」
と指示された場合、具体的に何をするかの情報が不足していると思いませんか?
おそらく上司は「これだけ言えばわかるだろ」と思っているのでしょうが、
具体的な意思疎通が出来ていないとミスや間違いの元になります。
こんな時は、5W+1Hを意識して質問や確認をする事で上司の指示内容が具体的になります。
(いつ、どこで、だれが、なぜ、なにを、どのように)
上司の指示内容を5W+1Hで埋めてみましょう。
つまり、
(いつ)・・・・期日や期限をはっきりさせましょう。
(どこで)・・・場所を具体的に特定しましょう。
(だれが)・・・誰の為に必要なのか特定しましょう。
(なぜ)・・・・理由を明確にしましょう。
(なにを)・・・(なぜ)の理由の為に何をするのかを特定しましょう。
(どのように)・自身が行う行為を具体的に特定しましょう。
具体的に確認するのが大事っすね!
職人さんが仕事をする前に事前「確認」をしよう
職人さんが仕事をする前の事前「確認」の種類
- 作業場所の危険性や安全対策に不備がないかの事前確認(安全)
- 作業に必要な作業環境が整っているかの事前確認(施工)
- 前工程の完了状況、清掃状態などの事前確認(工程)
作業場所の危険性や安全対策に不備がないかの事前確認をする
現場では、色んな業種の職人さんが順番に作業を進めて建物を造って行きます。
その間を取り持つのが現場監督の仕事です。
新しい次工程に移る前には、必ず現場監督が確認をしなくてはいけません。
仕事が安全に出来るように対策がしっかりと取られているかを確認する事はもちろんですが、
作業をする際に考えられる危険ポイントを把握し、それを職人さんに伝える事も重要です。
自分の目で作業場所の安全性について確認をしましょう。
作業に必要な作業環境が整っているかの事前確認をする
職人さんが快適に作業を行う為には、仮設足場、電源、照明設備、仮設水道などの作業環境が
整っていなければいけません。
最近はバッテリータイプの工具が増えて、直接電源が必要ではない工具もありますが、
充電をする為だったり、作業によっては電源が必要な工具も使用します。
電源を取る為の仮設分電盤があっても、他業者さんと電源の取合いになったりする時もあります。
照明設備も事前に用意が必要な場所なのか、職人さんが用意できる程度の問題なのか事前に確認
が必要です。作業当日に職人さんから「これじゃ仕事ができない」と言われないように事前に確認
をしておきましょう。特に足場が必要な場合は直前に確認していては遅いので、工程を考えて
早めに段取りをしましょう。
前工程の完了状況、清掃状態などの事前確認をする
工程の進捗状況を把握するのは、現場監督としては必須の仕事です。
職人さんが仕事をする為の前工程がきちんと完了しているか、前工程で
作業場所が汚れたままになっていないかなど、スムーズに作業が出来る
状態になっているかを事前に確認しておきましょう。
作業の当日に職人さんに怒られないように
前日に確認するっす!
職人さんからの質問、要望はすぐに「確認」しよう
職人さんからの質問、要望をすぐに上司に確認する理由
- 職人さんを待たせる意味がない
- 自分で解決出来ない問題を抱えていても意味がない
- 問題を解決できる人(上司)に少しでも多く時間を与える為
職人さんを待たせる意味がない
最近はサラリーマン職人さんも増えてきましたが、
基本的に職人さんは「仕事をしてナンボ」の世界です。
つまり、仕事をすればするほど儲かる商売です。
その職人さんの手を止めるという事は、イコールで
利益を止めている事だと意識しましょう。
自分で解決出来ない問題を抱えていても意味がない
新人でも若手でも職人さんにとってあなたが現場監督である事には
変わりはないので、色々な質問をあなたにしてくる事もあります。
職人さんが言っている意味が本当に分からない場合は、
素直に「わからないので上司に聞いて下さい」と言いましょう。
しかし、ある程度経験をして質問の意味が分かるのであれば、
伝令役となりすぐに上司に報告するようにしましょう。
自分で解決出来ない問題は、一秒でも抱えないように意識しよう。
問題を解決できる人(上司)に少しでも多く時間を与える為
現場で問題が起きた場合や職人さんからの質問を受けた場合、
その問題や質問がすぐに答えの出るものなら良いですが、
場合によっては設計さんや施主さんなどに確認が必要だったり、
うっかり確認していなくて打合せが必要なケースもあります。
答えを出すのに時間が掛かってしまっては、作業に影響が出る恐れもあります。
職人さんが答えを急いでいなくても、問題を解決できる人に時間を与える為に
すぐに上司に確認をしましょう。
問題を早く解決するには、「上司へすぐ確認」がベストっす!
作業完了後の上司への報告前に「確認」をしよう
作業完了後の上司への報告前に「確認」する理由
- 指示した内容通り完了しているかを確認する為
- 作業について具体的な報告をする為
- 改善、改良点がないかを確認する為
指示した内容通り完了しているかを確認する為
これは当然の事ですが、職人さんがきちんと指示通り、図面通りに
仕事が終わっているかを確認するのは現場監督としては必須の業務です。
次工程に進むのに問題がないか、一日の作業ノルマは達成されているか。
現場をスムーズに進行させるためには必ず必要なので、絶対に行いましょう
新人や若手現場監督が気を付けるべきは、
「指示内容、図面の意味」をきちんと理解しているかどうかです。
理解出来ていないのに、正しく完了しているかは判断出来ません。
大前提として完了確認をする時は、
「何を確認しないといけないのか」
を必ず理解しておきましょう。
自分の勝手な思い込みで判断すると、危険です。
作業について具体的な報告を行う為
現場作業は工場のライン作業と違い、
予測出来ないような事態が起こる事もあります。
また、完了状況についても正解が一つとは限らないのが現場です。
例えば、精度誤差や見た目の仕上がり具合がどの程度までなら
合格点なのかや、次工程に影響があるのかないのか。
そういった判断は新人、若手には難しい場合があります。
なので、上司が正しい判断が出来る様に完了状況の細かい部分を
具体的に表現出来るようにしましょう。
自分自身の「見る目」を養う訓練だと思って取組んでみて下さい。
改善、改良点がないかを確認する為
現場での作業で、一生で一回しかお目に掛からない作業は少ないです。
どんな作業も、多少の相違点はありながらもまたいつか経験する作業が
ほとんどです。
なので、次回同じ作業を行う場合に気を付けた方がいい事や、
今回は出来なかったけど次回からはこうすればもっと効率的に
作業が出来るなどの、次へと繋がるフィードバックが出来ると
尚良い確認です。
さすがに新人には難しいと思いますが、多少経験を積んだ
若手社員なら、是非意識して欲しい所です。
自分で気付かない時は、職人さんに聞いてみると教えてくれます。
日頃から常に作業の改善や改良については前向きに取り組んでいきましょう。
職人さんが作業完了したら、自分の目で確認するっす!
まとめ
現場監督にとって、「確認」は大事な作業です。
新人、若手のうちから早く「確認」の意味を知り、
正しく認識する事が仕事を覚える為の王道と言えます。
ただし、王道は近道でもなければ楽な道でもありません。
地道に一歩ずつ着実に歩んで行かなければならない道です。
その為には一つでも多く経験をする事が大事です。
現場監督として誰もが通らなくてはいけない道なので、
積極的に挑戦していきましょう。