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新人現場監督専用

新人現場監督が知るべき安全管理!

新米くん

建設現場の安全管理で新人現場監督がやるべき事ってなんスか?安全管理を具体的に教えて欲しいっス。

こんなお悩みを解決します。

本記事の内容

  • KYK・新規入場者教育の指導をする
  • 施工体制台帳の管理をする
  • 朝礼時の司会進行・安全指導をする
  • 現場の日常・月例点検の管理を行う
  • 現場巡視による危険個所の発見・是正を行う
所長

現役ゼネコン現場監督の私がしっかりと解説します!

X(旧Twitter)にて現場監督あるあるをイラストや漫画で紹介しています。

こちらまでどうぞ→ X(旧Twitter)(@shochou2022)

 安全第一という言葉は、

1906年にアメリカの製鉄会社のスローガンとして誕生しました。

日本には、大正時代(1912年)に持ち込まれ、

その後、全国の工場や建設現場などに浸透していったのです。

今では誰もが聞いたことのある言葉ですよね。

「安全は、何にもまして優先されるべきモノである」と、

そう掲げる理由は、

「安全は、強く意識しないと後回しにされがちなモノである」という真実が隠されているからです。

仕事とはいわばお金儲けです。

その為に頭を使い、いかに効率よく儲けることが出来るかを考えた時に、

安全性を優先するとコストが掛かってしまい儲けが減ってしまうという思考になってしまうのです。

しかし、建設現場で事故や怪我などがあると、

その為に工事がストップしたり怪我をした人が働けなくなったり、

デメリットが大きいのも事実です。

安全にばかり目を奪われていると儲けを失い、

儲けばかりに目を奪われると事故や怪我の元になってしまいます。

安全管理とは、決して単純なものではないのです

KYK・新規入場者教育の指導

 新人現場監督の安全管理の仕事として、

一番最初に触れる書類がKYK(危険予知活動表)と

新規入場者教育実施報告書の二つだと思います。

KYKとは、危険(K)予知(Y)活動(K)の事で、

つまりは今日行う作業にどんな危険があり、

どんな怪我や事故を起こす可能性があるかを予知し、

そうならない為の対策を考えるというもので、

朝礼後に各下請け業者さんがそれぞれ用紙に記入して朝礼広場などに掲示をします。

最近はKYKだけではなく、

RA(リスクアセスメント)を活用している建設会社も多いと思います。

リスクアセスメントとは、

リスク=危険性や有害性をアセスメント=特定・分析・評価する

という一連のプロセスの事です。

一見、KYKと同じように思えますが、

簡単に言うと「KYKはあらゆる可能性の危険に対して対策をする事」

「RAはあらゆる可能性の危険の中で、一番危険なものを「特定」し、

その特定した険を「分析」して、考えられる安全対策を行い、

その安全対策によってどれだけ危険が軽減されるのかを「評価」するというものです。

毎朝職人さんが書くKYKを、

あなたが記入漏れや間違った書き方をしていないかをチェックする事になりますので、

よく覚えておきましょう。

そして、新規入場者教育実施報告書は、

初めて現場に来た職人さんが記入する用紙です。

用紙の記入はもちろんですが、

その時に現場監督から現場で作業をする為の注意事項や、

現場の設備(トイレ、手洗い、休憩所、喫煙所の場所、仮設の電気、水道の位置など)や

現場の状況、立ち入り禁止区域の有無などを教えてあげなくてはいけません。

まずはこの書類について理解をしましょう。

施工体制台帳の管理

 施工体制台帳とは、発注者(施主)から工事を請負った建設会社(元請)から、

専門工事を請負う下請け業者が作成する書類で、

簡単に言うと、

「うちの会社はこんな会社でちゃんと資格や許可を取っていますよ。

この現場を担当する社員はこの人で、更に2次下請け業者はこんな会社ですよ」

といった感じの、

工事に携わる会社内容や社員の自己紹介資料と言えばわかりやすいでしょうか。

公共工事の場合は、

すべての工事業者が提出する必要がありますが、

民間工事の場合は、元請との契約金額で提出するか否かが変わってきます

下請け業者が現場に入場して工事を行う前に提出してもらう必要があるので、

下請け業者が決定した時点ですぐに作成の依頼をしなくてはいけません。

元請によっては専用の書式がある場合もあるので、

書式が決まっている場合はデータ等で書式を渡して作成してもらいましょう。

提出された施工体制台帳に不備がないかチェックするのも現場監督の仕事です。

施工体制台帳にはどんな事が記載されているのかは勉強しましょう。

提出された施工体制台帳は業者別にファイリングし、

実際に業者が入場して新規入場教育を行ったら、

その作業員が施工体制台帳の中の作業員名簿に載っているか確認しましょう。

もしも施工体制台帳に現場に入場した作業員の名簿がなかったら、

下請け業者に連絡をして名簿の提出をしてもらいましょう。

施工体制台帳は現場の安全管理を行う上で重要な書類になります

中身についてはしっかり理解しておきましょう。

朝礼時の安全指導

建設現場の朝は朝礼から始まります。

朝礼は全作業員が参加し、

現場監督の進行で現場の作業内容や資材等の搬入出の時間、

立ち入り禁止区域などの注意事項、各作業の関連調整等、

今日一日の現場作業をスムーズに進める為の連絡調整を周知するものです。

新人現場監督が配属されていきなり進行を任される事はないと思いますが、

現場に慣れた頃には進行をする事になると思います。

朝礼の進行は、基本的にフォーマット化されていると思うので、

喋るのが得意な人にとってはそれほど難しくないと思います。

しかし、緊張しやすい人だったり、声が小さい、滑舌がわるい人だと

苦手な仕事の一つになるかもしれません。

実際、私も緊張しやすい性格だったので、

若い時は嫌な気持ちで朝礼をしていた時もありました。

しかし、慣れとは恐ろしいもので、

やればやるほどなんとも思わなくなっていきました(笑)。

朝礼は、基本的には今説明した通りのものなのですが、

現場監督にとってはもう一つの意味があるイベントだと思います。

それは、自分自身をアピールする場であるという事です。

朝礼が始まれば、そこは進行役の独壇場と言っても過言ではありません。

もちろん、進行役の後に上司や所長が一言いう場合もありますが、

所長にバトンタッチするまでは進行役は自由です。

例えば、自分が日頃思ってる現場で職人さんに注意して欲しい点や、

気を付けて欲しい事などがあれば、その場で言ってしまえばいいのです。

現場を巡視している時に、

職人さんが危険な作業やルールを守っていなかったりする時、

面と向かって注意するのは新人には難しい事だと思います。

なので、

朝礼という場を借りて自分が感じている安全についての指導を行えばいいのです

すると、朝礼に参加している職人さんは、

「あの人は、自分の意見をちゃんと言える監督なんだな」

と一目置くかもしれません。

もちろん、ちんぷんかんぷんな事を言ってはダメですけどね(笑)。

朝礼当番をするようになったら、

合わせて安全指導を朝礼の場でしていきましょう。

日常・月例点検の実施

  安全管理を行う上で、

日ごろきちんと点検を行うのは当たり前ですが、

その点検をどのうように行ったのか、いつ行ったのか、

その際に問題点はなかったのか等を記録する必要があります。

特に重機などの稼働機械については毎日始業前点検が必要ですし、

きちんと整備された機械であるかを確認する必要もあります。

また、足場についても同様です。下請け業者さんもそうですが、

作業する場所の足場については、事前に点検を行い、

足場に不備がないかを確認してから作業を行わないといけません。

電動工具もそうです。

整備された工具を使用しなければ、

怪我をしてしまうリスクが高まります。

それらすべてを毎日現場監督がするわけではありませんが、

会社や現場が定める決まりに則り、

しかるべき点検と記録を残さなくてはいけません。

万が一事故や怪我が起きた時、

点検をしっかり行っていた場合と何も点検をしていなかった場合とでは、

事故や怪我の内容は大きく違ってくると思います。

点検はしたけど記録は付け忘れた、

とならないように、日ごろから意識しておきましょう。

現場巡視による危険個所の発見・是正

 現場巡視というと、

安全管理の為だけに現場を観てまわっているように思われる

かもしれませんがそうではありません。

あなたが現場で作業をしている時、

所長からの伝言を職人さんに伝えに行く時、

休憩の為に休憩所へ向かう時、

どんな時でもあなたは現場を観る事が出来るはずです。

むしろ、歩くスピードを少し遅くして現場を観るようにしてもいいです。

現場巡視とは現場を観て回る事です。

あなたの仕事のついでに観て回ってしまいましょう

そして気になった点があればメモをしましょう。

状況を所長に報告し、

どう対処すべきかを相談しましょう。

急ぐべきなのか、今日中にすればいいのか。

それほど大した問題ではないのか。

そういった判断はまだ新人現場監督には早いです。

あなたの役割は、現場の状況の変化を発見し所長に報告・相談する事。

そして、あなたの報告をもとに所長が是正方法を判断し、

あなたに指示、

もしくは場合によっては下請け業者さんにお願いする事もあるでしょう。

現場の状況は、毎日どこかが変わっていきます

いままで安全だった場所が工事が進む事によって

危険な場所になることだってあります。

その変化に気付く為には、現場をよく観る必要があります

「いつでも現場巡視」の視点を養いましょう。

まとめ

現場の安全管理は、

内容はシンプルでもその状態を常に維持したり改善する為には

毎日の気配りや下請け業者さんの協力など、

多くの労力が必要です。

逆に危険な状態や不安全な環境というのは簡単に作れてしまいます。

一人の作業員さんが足場の手すりを外してしまえば、

そこは危険な状態になってしまいます。

どんな管理もそうですが、

そうなってから行動していては時間も労力も掛かってしまうので、

いかに未然に防ぐかが大事になってきます

新規入場教育で安全について教育し、

朝礼等で指導を行い、かつ日常的な点検、巡視をして安全を確保する。

現場が無事故で竣工する為には、

目に見える努力と、

目には見えない努力の積み重ねがうまく噛み合う事で成立するのだと思います

あなたにできる安全管理をしっかりとやっていきましょう。

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