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公共建築工事標準仕様書

鉄筋のかぶり厚さ及び間隔とは

新米くん

鉄筋のかぶり厚さと間隔、あきについて知りたいっス

こんなお悩みを解決します。

所長

現役現場監督の私が、しっかり解説します。

 

🔍 1. かぶり厚さについて

かぶり厚さとは、鉄筋表面からコンクリート表面までの距離を指し、防錆・耐火性能・構造耐力を確保するために必要です。令和7年版仕様書では用途や部位ごとに最小かぶり厚さが定められています。過剰なかぶりも構造上の問題を招くため、スペーサーブロックや型枠位置で適切に管理し、仕様値を遵守することが重要です。下の表は公共建築工事標準仕様書令和7年版に記載されている最小かぶり厚さの表です。かぶり厚さついても構造図や特記仕様書に記載されている場合がありますので、必ず確認をしましょう。分からない場合は、監理者へ質疑をして明確にしておきましょう。

所長

構造図には、最小かぶり厚さに+10㎜した数値が記載される事が多いよ。

 
 

👷かぶり厚さのチェックポイント

チェック項目必要性
スペーサーブロックの適正設置位置・数量の確認かぶり厚さ確保のため、配置ミスや不足がないか事前に確認。
型枠内側の清掃と異物除去異物混入でかぶり不足のリスクがあるため事前点検が必須。
かぶり厚さの測定検査施工誤差の有無を確認し、早期是正で品質を担保する。
 
使用するスペーサーの種類を選定しておこう
所長

ドーナツは色の違いでカブリ寸法が一目でわかるので、現場で使用する時は色と寸法を覚えておこう

🔍 2. 鉄筋の間隔について

鉄筋の間隔とは、鉄筋中心間の水平・垂直距離を指し、配筋時のピッチの事を意味します。100ピッチなら間隔が100ということです。あきと混同しない様に注意しましょう。

 

👷鉄筋間隔のチェックポイント

チェック項目必要性
配筋前の墨出しと鉄筋中心位置の確認設計通り配置しないと全体の間隔が狂うため。
配筋後の中心間隔の実測確認施工誤差が生じやすく、特に開口部・端部は重点管理が必要。
結束強度と固定状況の確認打設時のズレ防止と、間隔の維持のために不可欠。
 

🔍 3. 鉄筋のあきについて

鉄筋の「あき」とは、鉄筋同士の有効なすき間のことです。コンクリートの打設・締固め、ジャンカ防止のためにも粗骨材の最大寸法の1.25倍以上25mm以上、隣り合う鉄筋の径の平均の1.5倍のうち最大の値のあきを確保する必要があります。特に重ね継手・開口部周辺などの密集箇所は注意が必要で、現場での実測・調整が品質確保のカギです。あきが少ないと、生コンクリートが密実に打設できなくなり、コールドジョイントやジャンカの原因になります。特に、柱や梁などの太い径の配筋時には注意が必要です。

所長

鉄筋の「あき」寸法は色んな要素で値が決まるから注意!

粗骨材が25㎜だと約32㎜あきが必要だよ。

25㎜以上あれば大丈夫ってわけじゃないっスね

新米くん
 

👷鉄筋のあきのチェックポイント

チェック項目必要性
鉄筋相互の最小あき寸法の実測確認鉄筋同士の間の骨材通過性を確保し、打設不良を防ぐ。
使用粗骨材サイズとあき寸法の整合確認

粗骨材サイズとあき寸法が適合しないとジャンカ発生の原因となる。

開口部・型枠周辺のあき寸法確認密集箇所でのあき不足を未然に防ぐため重点確認。
 

📖まとめ

鉄筋工事における「かぶり厚さ」「鉄筋間隔」「あき」は、構造物の耐久性・耐火性・施工品質を大きく左右する要素。仕様書基準を厳守し、現場でのこまめな実測・確認・記録を徹底することで、施工トラブルを防ぎ、高品質な仕上がりを実現しましょう。

 

📚参考資料

📚鉄筋の間隔とあきについて参考になる記事紹介

建築学生が学ぶ構造力学:鉄筋のあきとは?1分でわかる意味、最小値、粗骨材との関係

-公共建築工事標準仕様書