新人現場監督が仕事を早く覚えるにはどうしたらいいッスか
こんなお悩みを解決します。
現役ゼネコン現場監督の私がしっかり解説します!
X(旧Twitter)にて現場監督あるあるをイラストや漫画で紹介しています。
こちらまでどうぞ→ X(旧Twitter)(@shochou2022)
これから現場監督として成長していく為に、乗り越えていかなければならない場面が数多くあると思います。理不尽な要求、納得のいかない事、めんどくさい仕事など。社会人として働くという事は、色々な壁にぶち当たりながらも前に進んでいくという事です。
先輩上司に恵まれた人であれば、サポートを受けながら成長出来るかもしれません。しかし、素晴らしい先輩上司は実際にはあまりいません。みんな自分で精いっぱいなのです。誰も教えてくれないなら、自分で学ぶしかありません。
そんな新人現場監督に知っておいて欲しい事をまとめました。仕事に取り組む姿勢を是非学んで下さい。
仕事に失敗はつきもの。意味のある失敗をしよう
はじめての仕事や、不慣れな仕事を行う時は気分が憂鬱なものです。失敗したらどうしよう。よくわからないからやりたくない。上司や先輩は簡単に言うけど、自分はまだ慣れてないから簡単になんてできない。そう思った事がありますか。誰でも初めての事には抵抗や躊躇があって当然だ。と、思っていませんか。
それは、仕事に対してネガティブな発想をしているからです。上司や先輩にだって担当した現場で、はじめて行う工事や工法があるはずです。仕事に対してネガティブな人は、同じように嫌々仕事に取り組むかもしれません。そんな人は仕事を変えた方がいいかもしれません。この先一生嫌々仕事を続けるなんて耐えられませんよね。
では、上司や先輩はどうやって未経験の仕事に取り組んでいるのか。答えは簡単です。ポジティブな発想で仕事をするだけです。
やった事のない仕事が出来るなんて楽しみだな。これを覚えたらまた一つ成長できるな。ここで覚えたら次にやる時は楽勝だな。など、むしろ新しい仕事に対して喜びを感じるようになればいいのです。そんな事無理だ。と、はじめから否定的な人は仕事を覚えるのが遅くなるだけです。
嫌々仕事をするより、楽しんで仕事をする方がよくないですか。「失敗したらどうしよう」と、考えるのがネガティブ。「失敗しない為にはどうしよう」と、考えるのがポジティブです。
失敗した時、「ああ、やっぱり失敗した。もうやりたくない」と思うのがネガティブ。「あれ、失敗してしまった。どこが悪かったんだろう。次は失敗しないように悪かった所を確認しておこう」と思うのがポジティブ。失敗する事は誰にでもあります。
それを次に活かす事が出来れば、その失敗は無意味ではなくなります。失敗するなら、意味のある失敗にしましょう。
問題や失敗、トラブルは一秒でも早く上司になすりける
現場において、様々な問題やトラブルはよくある事です。たとえば、工程を一日ずらしたいとか、今日終わる予定が終わらないなどの工程についての問題。または図面とは違う納まりで仕事がしたい、出来栄えを確認して判断して欲しいなど、品質についての問題。
または手すりや足場を作ってくれないと危なくて仕事が出来ないなどの安全についての相談など。上司ではなく若手社員に相談をしてくる職人さんもいるはずです。
職人さんにとっては、若手だろうが現場監督なのだから当然です。そこで、「私は若手なので上司に言って下さい」なんて答えたらおしまいです。職人さんは、もうあなたを現場監督としてはみてくれなくなるでしょう。職人さんから相談を受けたら、「所長(上司)と相談して対処します」と言いましょう。
そして、すぐに上司に連絡、相談すればいいだけです。上司は部下の連絡や相談を受ける義務があるので、たとえ忙しそうにしていても構わず相談すればいいです。後になればなるほど問題はややこしくなるものです。自分で処理できないものは、さっさと上司になすりつけよう。
また、自分で判断できる事は自分で対応すればいいのですが、上司には必ずその事を報告しておきましょう。思い込みで判断してしまい、実はその判断が適切ではなかったというケースも、ないとは言えないからです。その時、あなたが責任を取れますか?責任なんか取りたくないですよね。
若手社員は、自分がどんな仕事をしたかを上司に全て報告すれば、その仕事のフォローを上司がしてくれます。逆に言えば、報告や相談をせずに行ったミスには、上司もフォローなどしてくれないでしょう。報連相とは、自己防衛の手段でもある事を覚えておこう。
自分に出来る事は何かを考える
若手社員は、現場監督としての仕事をどれだけできるでしょうか。おそらく、必ず行わなければいけない大事な仕事は、現場所長(上司)が行っているのではないのでしょうか。工程の組立、施工図の作成、予算管理、顧客との打合せ等、現場運営の重要な課題や仕事があります。それらの仕事を任されるようになれば、仕事ができる社員の証です。
しかし、経験不足な社員にはまだまだ任せるわけにはいかない。と、上司なら考えるものです。では、一人前の現場監督として成長する為にはどうしたらいいのか。上司から言われた仕事だけをしていればいいのか。そうではありません。上司は先生ではないので、一から十まで親切丁寧に教えてはくれません。
上司には上司の仕事があり、若手社員の教育は二の次になるものです。ましてや教え慣れしていない上司だと、ますます期待など出来ない。若手社員がするべき事は、まず現場を知る事です。現場の隅々まで、今現在どんな仕事をどんな業種の職人さんがどうやって行っているのか。
現場の状況を誰よりも把握している存在になりましょう。
この先どうなっていくかはわからなくとも、今どんな状態なのかは、観ればわかるはずです。そしてどんな手順で建物が建てられていくのかを実際に見て覚える事をおすすめします。「百聞は一見に如かず」ということわざの通り、観て覚える事は何よりもわかりやすいものです。
その中でどれだけ疑問を持つ事ができるか、そしてその疑問をどれだけ解決していけるか。職人さんのしている仕事で疑問があれば、直接職人さんに聞いてもいいです。おそらく上司や先輩も、知らない工法や初めて行う工事の時は、職人さんに教えてもらうこともあるはずです。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」ということわざもあります。わざわざ調べたりしなくても聞いたら教えてくれる先生(職人)がいるのなら、是非聞いてみよう。その分、きっと成長できるでしょう。
まとめ
さて、これまで基本的なアドバイスを行ってきましたが、基本こそが最も大事だという事を忘れないでください。周りや上司が求めるポジティブで行動的な若手社員になれれば、きっと周りの人たちも色々と面倒をみてくれるようになります。関係性の構築は、最終的にあなたにとってプラスになります。それが出来ない限り、あなたの味方はいなくなってしまいます。言い方は悪いですが、周りや上司を最大限利用する様にうまく立ち回りましょう。