優秀な現場監督になる為には、どんな所に気を付けて仕事に取組めばいいっスか?
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- デキる監督は自分のスケジュールを計画する
- デキる監督は設計図をよく観る
- デキる監督は2次元から3次元をイメージする
現役ゼネコン現場監督の私がしっかりと解説します!
優秀な現場監督とは何か。現場監督になったら誰もが考える事かもしれません。そして、その答えは千差万別な気がします。現場監督に要求されるスキルが多様な為、これだけを極めたらいい!というものがないのです。自分の得意とする分野を磨く人もいれば、あえて不得意な分野を克服して自分の武器にする人もいます。不得意なものを武器にする事が出来れば、怖いものなしというわけです。
しかし、そうやって自分の得意不得意を知るのは、
ある程度経験を積まなくてはわかりません。
新人のうちはそんな余裕もないでしょう。
今回は新人がデキる現場監督になるきっかけを作る為の方法を教えます。
基本的な事の積み重ねが、自分の力になります。
デキる監督は自分のスケジュールを計画する
スケジュールを計画するメリット
- 自分の仕事を忘れずに把握できる
- 仕事の順序や優先順位の組み立てができる
- 毎日、毎週、毎月の仕事の習慣を理解できる
- 自分のスケジュール計画は工事工程表作成の練習になる
あなたは仕事をする上で、
「毎日の仕事、毎週の仕事、毎月の仕事」を正確に把握できているでしょうか。
もちろん、新人のうちから全てを把握するのは難しいと思います。
一つ一つの仕事を覚えながら、
自分の仕事を把握していく事でしょう。
ベテランの現場監督になれば、
呼吸をするのと同じように仕事を次々にこなせるようになると思います。
しかし、新人にありがちなのは、
せっかく覚えたつもりの仕事をつい忘れてしまったり、
失敗したりすることです。
これは能力の問題というよりも、手法の問題です。
人間は、全てを記憶し、ずっと忘れないでいる事は出来ません。
「しっかり覚えておけよ!」と、上司に言われても、
頭の中に記憶として留めておくことは出来ません。
始めから無理だとわかっていることは、やらない方がいいです。
では、どうすればいいでしょうか。
答えは、カンニングペーパーを作る事です。
仕事は試験や学校のテストではありません。
カンニングはいくらでもしていいのです。
覚えておかなければいけない事は、
メモでもなんでもいいので見直せるものを作成しましょう。
そして、最初に言った「毎日の仕事、毎週の仕事、毎月の仕事」も同じです。
覚えた順に、それが毎日の仕事なのか、毎週の仕事なのか、毎月の仕事なのか。
若しくは別のタイミングでの仕事なのか。
あなたが覚えた仕事をカテゴリー別に分類して、
いつやるべき仕事なのかを理解しましょう。
そして、あなたの仕事のスケジュールを作成するのです。
例えば、A4の用紙に8時~17時のタイムスケジュール表を作り、
毎日の仕事を何時に行うものなのかを書き出します。
次は毎週の仕事。
月曜日から土曜日までのタイムスケジュール表を作り、
何曜日にする仕事なのかを書き出します。
同じ要領で毎月の仕事も作ります。
出来る限り細かく作る事をおススメします。
例えばゴミ出しをするのもあなたの仕事の一部だとしたら、
それが何曜日で、何時にゴミ出しをするとよいのか。
そうやって自分のするべき事を埋めていきます。
するとどうでしょう。
あなたの日々のスケジュールが完成していくではないですか。
毎日の仕事はタイムスケジュールになるので、
「何時から何時までに○○を行う」と、決めてしまいましょう。
スケジュールを計画する事は、現場の工程作成と似ています。
自分自身の工程表を作るつもりで、作成してみましょう。
仕事も現場も、その場で何をするのか考えるより、
事前にやるべき事を計画しておけばスムーズに事が進みます。
自分の仕事を計画する事が工程表作成の練習になるんですね!
デキる監督は設計図をよく観る
設計図を観る理由
- 現場監督は設計図を理解しないと現場管理出来ないから
- 建物の基本となる意匠・構造・設備が設計図に記載されているから
- 設計図は建設現場の共通認識。設計図を通じて全ての仕事が発生しているから
- 設計図を理解するという事は現場を理解するということだから
建設現場では、設計事務所が作成した設計図をもとに建物を造ります。
現場では設計図を本のように製本した「製本図」というものを作ります。
製本図は、専門の業者に依頼して作ってもらうので費用が掛かります。
もしかしたら、新人現場監督用に製本図が用意されることはないかもしれません。
しかし、図面はデータ等で現場にあるはずなので、
それをプリントアウトして一式自分用に用意しましょう。
製本しなくても、ファイルで綴じるなどすればいいのです。
特に、構造図は必須です。意匠図もあるとよいです。
設備図面は、専門的すぎるので、
最初は意匠図と構造図を手に入れて時間を作って読み込むようにしましょう。
もちろん、最初は何が書いてあるのかもわからないと思います。
わからないなりに読み込んでみましょう。
そして、設計図についてわからない事を上司、先輩に聞いてみましょう。
設計図を理解する能力は、現場監督にとって必須です。
まずは、どんな図面があるのか。
その図面が何を表しているのか。
そんなところからでいいので、少しずつ理解していきましょう。
仕上げ表、配置図、平面図、立面図、矩計図、断面図、平面詳細図、建具図、外構図などなど。
図面の名称も覚えなくてはいけません。
一気にすべてを覚えるのではなく、段階的に設計図に慣れ親しんでみましょう。
その為にも、自分用の設計図を手に入れて、
覚えたことなどをその図面に書き足してみましょう。
上司から、「まだ君が見たってよくわからないから、無駄だよ」とか、
言われるかもしれません。
しかし、見なかったら本当にわからないままです。
設計図を読み取る力がつくと、
現場を理解する事が出来るようになり、「わかる」という自信につながります。「
わかる」という自信がつけば、「楽しい」のマインドへと移ります。
多くの「わかる」を見つけていく事は、「楽しい」と思える仕事が増えるという事です。
はじめは、ただ「設計図を眺める」くらいの気持ちでいいので、
理解しようとか難しく考えずに見てみましょう。
設計図と現場は切っても切れない関係なんですね!
デキる監督は2次元から3次元をイメージする
2次元から3次元をイメージする練習法
- 図面(施工図)から拾い出し(数量出し)をする
- 施工図の断面図や立面・展開図を描く
- 施工図を見ながら実際に施工した場所を確認する
「設計図」もそうですが、
現場監督や下請け業者が作成する「施工図」も、基本的には2次元(平面)の図面です。
しかし、建物は当然3次元(立体)です。
現場監督の仕事は、「建物の設計図」という2次元を、「建物」という3次元にする仕事です。
設計図や施工図を見る習慣をつけたら、
次はその図面から出来上がった実物を見ましょう。
つまり、出来上がった現場を見るのです。
躯体図を見てから、実際で出来上がった躯体を現場で見てみましょう。
「この図面のこの寸法が、ここの寸法のことなんだな」とか、
この図面の形状はここの事を表していたのか」など。
図面と実物を比較して、答え合わせをしてみるのです。
出来上がったものを見る事で、
より具体的な理解が出来ると思います。
そして、図面の表現方法や見方がよりわかりやすくなると思います。
また、「どうしてこうなってるのか」という新たな疑問も出るかもしれません。
そういった「わからない」を「わかる」にしていく作業が、
成長の源です。
二次元の図面で、どのように3次元を表現しているのか。
どのような図面を作成すれば、3次元を表現できるのか。
そういった視点で、図面と現場を見比べてみましょう。
RC造の躯体図について解説した記事がありますので、
下のリンクをチェックしてみて下さい。
図面をみて立体的に想像できるようにならないとダメなんですね!
まとめ
新人現場監督の仕事は、単純な作業や体力仕事が多いかもしれません。
しかし、それは現場監督としてあなたが未熟だからです。
「こんな仕事をする為に現場監督になったんじゃない」と、
思うかもしれませんが、あなたは、「こんな仕事」しか任せられない存在なのです。
監督としての仕事をどんどんしていきたいのであれば、
監督としてのスキルをまず身につけましょう。
今回紹介した3つのアドバイスは、
今後のあなたの仕事に大きな影響を与える事になると思います。
是非、実践してみて下さい。