現場の配属先の上司とどうやって接したらいいかわからないっス。先輩と所長は同じように接していいんスか?
こんな悩みを解決します。
本記事の内容
- 年齢、経験年数が近い直属の上司がいる場合の対処法
- 経験年数が10年以上で、所長ではない直属の上司の場合の対処法
- 年齢の若い所長が直属の上司の場合の対処法
- 年齢がお父さんくらいの所長が上司の場合の対処法
現役ゼネコン現場監督の私がしっかり解説します!
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新人現場監督が配属される建設現場は、当然ですがそこに先輩・上司がいます。
中小企業のゼネコンであれば現場スタッフが多くても5人程度で、それ以上の現場スタッフがいる現場というケースは少ないと思います。
むしろ、2~4人程度の現場監督で現場を運営するのがほとんどではないでしょうか。
そんな中、現場の規模によってあなたの直属の上司は年齢も経験年数も変わってきます。
つまり、あなたを教育をする上司の質も変わってくるのです。
今回は色んなパターンの上司との接し方や対処法などについて説明します。
年齢、経験年数が近い直属の上司がいる場合
このパターンは、比較的大きな建設現場で、所長以外にも複数人スタッフがいる場合です。
新人にとって、自分の教育係になる人の年齢が近いのは精神的には嬉しい要素だと思います。
私自身の経験から言っても、年齢が近い上司とは雑談などの会話もスムーズに出来る人が多いです。
喋り方も堅苦しいやり取りにはならないので、コミュニケーションでのストレスはたまりにくいです。
なので、仕事もその上司との相性が良ければ楽しくできるかもしれません。
しかし、忘れてはいけないのは、教育係となるその上司もまだ教わる側であるという事です。
つまり、時には間違った指示や教育をする可能性もあるという事です。
先輩の言う通りにしていれば大丈夫と思っていると、所長にその先輩と一緒に怒られるハメになるかもしれません。
あなたが注意するべき事は、その教育係になる先輩より上の上司(所長)にも、仕事についての確認や報告をするという事です。
例えば、先輩に「ここの掃除を一人でしておけ」と指示されたとします。
その時に、先輩にはバレないように所長に「先輩から○○の掃除をするように言われたのでしてきます」と報告を入れてみましょう。
その時に、「ん?それより先にやって欲しい事があるから先にそれをやってくれないかな」と、先輩の指示とは違う仕事を言われる可能性があります。
先輩よりも所長の方が現場の状況を把握しているので、先輩の指示がピント外れな場合があるという事です。
なので、あなたの仕事の内容を所長も理解している状態を作るのがベターです。
また、所長などのベテランの上司の方が仕事に対する要点を押さえているので、指示や指導も納得しやすいと思います。
先輩だけでなく、たまには所長にも自分の仕事について指示をもらったり、こちらから報告をするようにしましょう。
経験年数が10年以上で、所長ではない直属の上司の場合
このパターンは、スタッフが3人で構成される建設現場でよくあります。
ベテラン所長、経験のある所員、そしてあなた。
この場合であなたと直属の上司の経験年数が10年以上違う場合、その上司の思考回路は所長と同等もしくはそれに近い考え方の上司と思っていいでしょう。
つまり、その上司の指示に従っていれば、基本的には問題ないということです。
(ごく稀にそうでないパターンもありますが)
そうなると、基本的にはその上司から教育を受ける事ができれば、あなたは効率良く仕事を覚える事が出来るかもしれません。
あなたが注意する事は、それだけ経験がある上司の場合所長もその上司をあてにしている為、仕事量が多く多忙である可能性があります。
自分の仕事をこなすのに必死で、あまりあなたに対する指導、教育がおろそかになる可能性があります。
あなたが教えてもらえるまで待っていたら、無駄に時間が過ぎるだけです。
そんな時は、上司に課題(宿題)をもらいましょう。
付きっきりでの指導の時間が十分に取れないのであれば課題をもらい、それを一人でこなし結果を上司に報告してその時に教育指導してもらうと効率的です。
年齢の若い所長が直属の上司の場合
直属の上司が所長ということは、その現場は、所長とあなた2人で現場運営を行うということです。
その場合に、所長が比較的に若い(20代後半から30代)ということは、現場の規模としてはそれほど大きくない建物ではないかと思います。
まだ所長としての経験は浅いかもしれませんが、現場監督としては一人前の実力はある人だと思います。
しかし、所長としてのキャリアは成熟していないので注意が必要です。
この場合、あなたの運命は所長によって全て決まると言っていいと思います。
教育指導の時間、内容、教え方、全てが所長の考え方一つで決まります。
そして、所長の仕事は言うまでもなく多忙な為、なかなか親切に教えてもらえる機会は少ないかもしれません。
教育熱心な所長であれば、あなたの為に自分の時間を割いてでも教えてくれるかもしれません。
しかし逆の場合、最悪放置プレイというパターンもあり得ます。
あなたが注意すべき事は、教えてもらえない環境になっていると感じたら、所長よりも上の上司(部長など)に相談をしましょう。
新人を教育するのは会社の先輩、上司の役目です。
つまり、それをしないという事は職務放棄をしているという事です。
あなた自身の成長を1人の上司によって妨げられるのは会社にとっても不利益な話です。
遠慮せずに報告をして大丈夫です。
最悪現場の配置換えも含めて会社に対応してもらいましょう。
年齢がお父さんくらいの所長が上司の場合
このパターンは、新人にとってはつらい現場になるかもしれませんが、ある意味いい勉強になる事の方が多いかもしれません。
つまり、現場で仕事をしている時は苦労が多いですが、数年後に振り返った時にあの人の現場で仕事してたから、今の自分があるのかも。
と、いい経験だったと思えるということです。
成長をするためには、いくつものハードルを乗り越える必要があります。
最近では、リスクを避ける為にあまり若い社員に責任のある仕事は任せないようにする傾向があります。
ベテラン所長の場合だと、その辺りの空気を読まずにドンドン仕事をあなたに任せる(任せてくれる)かもしれません。
どのみちいつかは越えなくてはいけないハードルならば早めに乗り越えてしまうのもアリだと思います。
あなたが注意すべき事は、中途半端な仕事の受け方はしない事です。
思い切ってやってみましょう。
あなたの失敗は、あなただけの問題ではなく、所長にも責任がありますし、最終的には会社の責任なのです。
こう言うとプレッシャーの様に聞こえるかもしれませんが、逆です。
あなたが失敗しても、会社や所長が責任を取ってくれるので、自分の出来る精一杯の仕事をすればいいだけです。
あなたの中途半端な返事や中途半端な仕事に対しては誰も責任を取ってくれません。
しかし、一生懸命行ったあなたの仕事なら、きっと面倒をみてくれます。
仕事をやりきれば自信にも繋がりますし、出来なくても責任は上司が取ってくれます。
こんなにローリスクな成長手段は、新人の特権と言ってもいいです。
この特権が使えるうちに成長するのが、将来のあなたにとって大切な時間となるでしょう。
まとめ
どんな会社でもそうですが、上司との人間関係は仕事をする上で大きな影響を与える要素になります。現場ごとに上司が変わる可能性のある建設現場は、良くもあり悪くもあります。良い面は、色々な仕事のやり方を学べるという点です。
もしも相性の悪い上司だったとしてもその現場が終わるまで我慢すれば、次からは一緒に働かなくて済むように(こっそりその旨を会社に伝えれば)できるということです。
普通の会社だと、嫌な上司がいたらその人とずっと仕事をする事になってしまいます。悪い面は、上司によってスキルアップのスピードが変わったり、仕事のやり方を変えなくてはいけなくなる事です。
部下でいるうちは仕方のない事かもしれませんが、あまり納得のいく事ではありませんよね。なので、さっさと仕事を覚えて現場所長として自立するのが一番です。最短で所長になれるように頑張りましょう!