現場管理って一体何の事ッスか?
具体的にどんな事を管理するのが現場監督の仕事なんスか?
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- 安全管理とは何か
- 品質管理とは何か
- 工程管理とは何か
- 予算管理とは何か
- 自己管理とは何か
現役ゼネコン現場監督の私がしっかりと解説します!
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こちらまでどうぞ→ X(旧Twitter)(@shochou2022)
安全管理
安全を管理するということは、無災害で工事を完了させる為に何をするべきかを計画し、その計画通り実行されているかを管理する事です。
工事現場には、様々な危険がつきまといます。
その中で安全に仕事をする為の設備を整え、点検をし、必要があれば下請け業者を教育指導していかなければなりません。
また、安全に対する計画書・報告書・点検表などを作成し、ファイリングを行い、どのような方法で安全管理を行っているか、
計画に対して結果がどうなっているか、その結果に基づいて今後はどうするべきなのかを検討していくことも、
安全管理にとって重要な業務になります。
安全管理は現場内だけではなく、第三者(近隣や通行人など)への配慮についても計画が必要となります。
品質管理
品質を管理するということは、顧客(施主)の要望通りの品質の製品(建物)を提供する為に何をするべきかを計画し、
その計画通り実行されているかを管理する事です。
設計図や仕様書、建築基準法、法令に基づき、要求されている事項を全て満たす事は必須条件であり、顧客にとっては当たり前の事です。
顧客に満足してもらう為には、それ以上の品質の向上を目指す事が重要になります。
また、顧客が求める品質とは建物の品質だけでなく、工事を管理する中での現場監督員としての「質」も含まれるものです。
品質のいい建物を提供するだけでなく、「質」の高い現場監督員の存在をアピールする事も、品質管理の要素となるでしょう。
工程管理
工程を管理するということは、顧客(施主)の要望通りの期間内に工事を完了させる為の計画を行い、
その計画通りに実行されているかを管理する事です。
工事を請負った時点で、基本的には着手日と竣工日が決められています。
それに基づきマスター工程(全体の工程表)を作成し、工期が適正工期となっているかを判断し、
通常の工期よりも短い期間で完成させなければいけない物件であれば、
どこの工種をどの様な方法でどの程度工期短縮できるかの検討が必要となってきます。
また、マスター工程を計画したあとも、月間工程、躯体工程、仕上げ工程などを下請け業者と打合せを行い各工程を計画し、
その計画通りに実行するように管理しなければいけません。
また、工程が早まったり遅れが出たりした時は、必要があれば修正工程を作成し、
現場の状況に合わせて常に対応できるように努めなければなりません。
予算管理
予算を管理するということは、会社が定める利益目標を達成する為にはどうするべきかを計画し、
その計画通りに実行されているかを管理する事です。
工事の請負金額は、会社と顧客(施主)との間で決まります。
その請負金額から工事の実行予算(実際に必要な工事費用)を差し引いた分が粗利益つまりは儲けになります。
粗利益が決まっても、仮設予算については実際に担当する現場監督が計画を行い実行予算の仮設予算内で計画する事が望ましいが、
現場の状況や詳細な計画の中で、予算にない仮設経費が発生する場合もあります。
それによって利益が損なわれる場合は、会社の中で議論し、予算検討を行わなければいけません。
工事期間中でも同様に、積算ミス、追加工事、手直し手戻り等で発生した当初の計画にいない工事により下請け業者への支払いが発生した場合、その都度会社内で協議し、予算検討をしなければいけない。
会社とは、利益を生み出してはじめて成立をするものです。
自己管理
自己管理を、他の4つの管理と同列にあげるのは少し大袈裟かもしれませんが、
自分自身の管理も出来ない監督に、建物の管理が出来るわけがありません。
新人のうちは、おそらくどの管理もまともにさせてもらえないかもしれません。
しかし、管理とは実践して初めて身になっていくものです。
まずは自己管理を完璧に出来る様に訓練しましょう。
上の4つの管理を学んで、管理についての共通項を発見出来たでしょうか。
すでに勘付いている人は、管理の基本を理解した人です。
管理とは、目標を達成する為の計画を行い、その計画が予定通り遂行されているかを見る事です。
そして、計画通りに進まなくなった時に、修正を行い、目標達成を目指す事が管理の本質なのです。
この法則をあなた自身に当てはめ、あなたの仕事に対する目標を設定しましょう。
それを達成する為の計画をし、毎日を過ごしてみて下さい。
自分自身の成長と共に、管理の基本が身に付くはずです。
新人監督用の自己管理法について解説した記事がありますので、下のリンクを参考にしてみてください。
まとめ
今回紹介した管理内容は、
「大きくカテゴリー分けをしたらこうなる」というものです。
それぞれ個別に管理が出来るわけではなく、すべてが繋がっているという事を理解しておきましょう。
例えば、工事の日数が悪天候などで遅延した場合、工期を守る為に職人さんの人数を増やして遅れを取り戻したり、
機械や重機を使用して効率化を図って工期に間に合わせたとします。
悪天候は予定外だった為、職人さんの増員や機械の使用で発生した出費も予定外です。
工期を守る為に予算の出費が増えた事になります。
工程は管理出来ましたが、予算管理に予定外の出費が発生した事になります。
このように、どこかを優先すると別のどこかに支障が出てしまう事があります。
現場監督は、それらを総合的に考えて判断しなくてはいけません。
それぞれの管理のどれか一つを覚えるのではなく、それぞれをバランスよく理解していきましょう。