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若手監督の育て方

【レベルアップ方式】若手現場監督の教育マニュアル作成方法!

所長

あなたの会社には若手現場監督育成用のマニュアルはありますか?

あなたの会社のオリジナルマニュアル作成のヒントが、

この記事にはあります。

本記事の内容

  • 何故教育マニュアルが必要なのか
  • 教育マニュアルの作り方とは
  • 会社独自のマニュアルを作る理由
所長

現役ゼネコン現場監督の私がしっかりと解説します!

X(旧Twitter)にて現場監督あるあるをイラストや漫画で紹介しています。

こちらまでどうぞ→ X(旧Twitter)(@shochou2022)

何故教育マニュアルが必要なのか

教育マニュアルを作る理由

  • マニュアルに沿って教える事で、若手に均一な指導・教育が出来る
  • マニュアルに沿って教える事で、段階的・効率的に教育が出来る
  • 教育係が途中で変わってもマニュアルでスムーズに引き継ぎが出来る
  • 教育係がその都度教育手順や内容を決める必要がなくなる
  • マニュアルがあると教育方法の改善点が見つけやすい

 多様性という言葉をよく耳にする時代になった現代。

生き方、考え方に加え、働き方にもその波は押し寄せています。

そんな中、建設業という業態は、完全にその波に乗り遅れていると言えます。

特に中小企業の会社は、

変化する環境や社会情勢に順応していく事は難しいのではないでしょうか。

昔からのやり方で今も業績を残しているとなると尚更でしょう。

しかし、それは今会社が健全な状態だからです。

もしくは、まだなんとか健全な状態を無理して保っているからではないでしょうか。

このままの状態で未来永劫会社が健全でいられるのと確信しているようでしたら、

あなたの会社は素晴らしい会社です。

人口減少、高齢化社会、働き方改革。これらの問題は、

マンパワーを必要としている会社にとっては対策を講じていかなければなりません。

これからの会社を支えていく人材を増やす為には、何をする必要があるでしょう。

教育マニュアルの作り方とは

 

皆さんの会社には、新人を一人前にまで育てる教育マニュアルが存在するでしょうか。

そして、それは実際に活用されているでしょうか。

結論的に、教育マニュアルは必要です。

そして、それは会社独自のマニュアルでなければ意味がありません。

どこかの会社のマニュアルを利用しても効率的ではないからです。

皆さんの会社の教育マニュアルを作成しましょう。

教育マニュアルの作り方

  • 1.レベル分けを行い、期間内に習得させる内容を決める
  • 2.レベルアップさせる為の期間を決める
  • 3.習得させる具体的内容を決める
  • 4.どのように習得させるのかを決める
  • 5.習得をしたかどうかの判断基準を決める
  • 6.課題のクリアに応じた見返りを設定する

レベル分けを行い、期間内に習得させる内容を決める

 

レベル1

  • 日常的な社内書類、日常的な業務書類の理解し作成・管理ができる
  • 現場にて朝礼の司会進行ができる
  • 現場の衛生環境について管理ができる
  • トランシット・レベルの使い方を理解し、スムーズに使用できる
  • 図面の名称でどのような図面なのか説明できる
  • リース材・仮設材・道具の名称を最低限理解し、見積り、発注業務ができる
  • 工事写真の撮り方を理解し、撮影できる
  • 施工図・設計図書設計図書をもとに簡単な積算、数量拾いができる
  • 仮設計画図を読み取り、発注業務及び現場にて指示ができる
  • 工程表を理解して読み取ることができる
  • 顧客や取引先、上司に対して敬語を使用して会話ができる

レベル2

  • 現場運営を行う上で必要な諸官庁提出書類を理解し作成・管理ができる
  • 現場運営を行う上で必要な安全書類を理解し作成・管理ができる
  • 現場の安全設備・環境について管理ができる
  • 直近の工程についての調整ができる(昼礼の司会進行など)
  • 簡単な週間工程の作成ができる
  • 躯体図を理解し、現場にて指示ができる
  • 鋼製建具図面(サッシ図)を理解し、現場にて指示ができる
  • 施工図、設計図書をもとに積算、数量拾いができ発注業務ができる
  • 工程に沿った簡単な事前の段取り、発注、確認業務ができる
  • 簡単な仮設計画が出来、発注業務及び現場にて指示ができる
  • 担当している工種の現場に納入される資材が適切かどうか判断できる
  • 工事写真の整理が出来、提出物として仕上げる事ができる

レベル3

  • 現場巡視による安全管理が出来、現場にて指示、指導、改善ができる
  • 月間工程表に基づいて現場の段取り、発注管理ができる
  • 月間工程表に基づいて現場の調整、修正などの工程管理ができる
  • 躯体図の作成ができる
  • タイル割図の作成ができる
  • 鋼製建具図面のチェック、訂正が出来る
  • 平面詳細図の作成ができる
  • 担当する工種の納まりについて施工図・設計図書を理解し、現場での指示ができる
  • 現場での予定外の状況について適切に判断し、対応できる
  • 主要工程の現場に納入される資材が適切かどうか判断できる
  • 工事内容について、契約工事か常用工事かを理解できる
  • 担当する工種の事前打ち合わせを行い、適切な段取りができる

レベル4

  • 施主や設計事務所との打合せに参加し、内容を理解できる
  • 予算についてある程度理解した状態で見積り、発注業務を行える
  • 月間工程表を作成し、現場の工程管理ができる
  • 全ての工種の現場に納入される資材が適切かどうか判断できる
  • 全ての下請け業者との事前打ち合わせを行い、適切な段取りができる
  • 仮設計画について設備の選定が出来、仮設計画図を作成できる
  • 全ての納まりについて施工図・設計図書を理解し、現場での指示ができる

レベル1~4までと設定しましたが、

皆さんの会社の業務体制によってレベルの数を増やしても減らしてもいいと思います。

大事なのは皆さんの会社のマニュアルとして適切かどうかです

レベルアップさせる為の期間を決める

 

 次はスケジュールです。

会社としてどれくらいの期間でどこまで成長してもらいたいのかを決めます。

これは皆さんの経験値で設定すると無理があると思います。

今は残業出来ない、無理やりな仕事の押し付けは出来ない等、

昔と比べて仕事に取組む状況が違うと思います。

少なくとも、最初はみなさんの考える2倍くらいの期間で設定するのがよいと思います

先ほど例にだしたレベル分けで設定してみましょう。

マニュアル課題達成目標期間

  • レベル1:3~6ヶ月
  • レベル2:1~3年
  • レベル3:3~6年
  • レベル4:6~9年

おおよそこれくらいのスパンが必要ではないでしょうか。

こう考えると、現場監督としてレベルアップしていくには、

時間が掛かるものなのだと思います。

しかし、実態はこの年数以上に時間が掛かっていたり、

途中で離職してしまう現場監督も多いと思います。

成長をまめに見守ってあげる事が大事で、

ほったらかしにしていれば当然成長は遅れるものです

若手が育たない理由に、皆さんの側にも責任がある事を自覚しましょう

習得させる具体的内容を決める

 レベル分けの時に決めた習得させる内容について、

今度は皆さんの会社の具体的な書類の名称やどうやって習得させるのかを決めましょう。

リストアップした「習得させる内容」を更に具体的にする作業です

例えば、「トランシット・レベルの使い方を理解し、スムーズに使用できる」

という内容について、どう教えるのか。

現場での実践で覚えさせるのか、練習の時間を作るのか。

配属される現場の状況や規模によって使用する頻度も難易度も変わってくると思うので、

そこは現場単位で決めるしかないと思いますが、

あくまで3~6ヶ月で習得させたい項目としてあるので、

「現場で使う機会がなかったから覚えられなかった」

という言い訳はしないようにしましょう。

機会が少ないなら練習をする時間や場所を与えて教えましょう。

現場の状況で、

新人が覚える内容が変わってしまうのはある程度仕方のない事かもしれませんが、

レベル1程度の内容であればどんな現場でも習得をさせるという教える側の気持ちが必要だと思います。

それぞれの項目について、

現場で教えるにはどうやって教えるのかを具体的に決めましょう。

習得したかどうかの判断基準を決める

 教育方針が決まり、実際に教育をしていく中で、

もう一つ決めなくてはいけない事があります。

それは、誰が何を基準に与えられた課題を習得したかを判断する事です。

もちろん、実際に教えている先輩、上司が判断してもいいでしょう。

もしくは、客観的に判断する為に別の人でも構いません。

誰が判断をするのかを明確にしておきましょう

そして、なによりも決めておかなければいけないのは、判断基準です。

判断基準が明確になっていれば、基本的には誰が判断しても大きな誤差は出ないはずです。

また、判断される側も、基準を満たしていないからだと納得できるはずです。

課題のクリアに応じた見返りを設定する

 

若手が仕事を覚える為に与えられた課題をクリアしていく事は特別な事ではありません。

むしろ、習得するまでは仕事が出来ない社員になるので、

是非とも前向きに早く仕事を覚えて欲しいものです。

しかし、教えられる側はそうは思ってくれません。

いくら仕事だとわかっていても、仕事を覚える事に負担や不満を感じるものです

それを解消する一つの方法として、見返り(報酬)の設定です。

最近ではお金の為に仕事をしているわけではないと考える若者もいるので、

安易に金銭による見返りがいいかはわかりません。

しかし、会社では社員の質の向上に見返りを設定している事はよくある事だと思います。

資格手当はまさに一つのいい例でしょう。

「自分たちの時代にはそんなものはなくても頑張って努力したものだ」

という古い言葉が聞こえてきそうですが、

少しでも早く会社に利益を生む人材を作る事を考えれば、これは必要経費だと考えます。

手当や給料とは別に、「ご褒美」という形で与えるのがいいと思います。

または、休みを与えるとか、欲しい物を現物支給するとか、アイデアは沢山あると思います。

会社によってはそういった事が経理的に難しい場合もあるかもしれませんが、

モチベーションの一つとして設定する事をおすすめします。

まとめ

 新人、若手の教育方法のマニュアルを作成する事は、

非常に手間が掛かり時間が掛かるかもしれません

なので、どこかの似たようなマニュアルで済まそうとする気持ちもわかります。

しかし、本当の意味で社員の成長を考えるのであれば、

自社のオリジナルのマニュアルの作成が不可欠だと思います。

最初から完璧なマニュアルを作成するのではなく、

試しながら完成させていく気持ちで取り組んでみてください

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