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若手監督の育て方

【新人現場監督】が育たない?本当に育ててますか?

所長

最近は、新人現場監督が育たないなんてよく聞きます。でもその理由にちゃんと気付けていますか?

本記事の内容

所長

現役ゼネコン現場監督の私がしっかりと解説します!

X(旧Twitter)にて現場監督あるあるをイラストや漫画で紹介しています。

こちらまでどうぞ→ X(旧Twitter)(@shochou2022)

 建設業界は、深刻な人手不足になる。そう囁かれてからずいぶん経ちます。

未だに人材不足の課題は解消されておらず、特に若年層に関しては年々減る一方です。

そもそも求職者が少ない事に加え、3Kや長時間労働などのマイナスイメージが強く、

多少大変でも給料が多ければいいと考える若者が減ってきているのも要因と考えられます。

そう、今は就職してくれる若者は、会社にとっては貴重な財産になる金の卵となっているのです。

そして時代は働き方改革、ハラスメント防止、個性の尊重など、(当然ですが)仕事の取組み方も、

昔とは大きく変わりつつあります。しかし、本当にそれらは、建設業界にとって歓迎すべきものなのでしょうか。

私は、現代の建設業界には多くの矛盾が存在しているように思えます。

新人現場監督への教育時間が確保出来ていますか?

 働き方改革によって残業時間や休日出勤について制限が設けられ、現場監督はようやく残業の日々から解放された。

・・・そんな日はやって来るのでしょうか。

働き方改革によって、中小企業の建設現場や現場監督に一体何が起きているかご存じでしょうか。

作業の効率化と言えば聞こえがいいかもしれませんが、実際は必要最低限の業務をするだけの時間しか

与えられなくなったと言ってもいいです。

そんな状態の中で、若手社員を教育する時間を作るのは、はっきり言って不可能です。

教える側も教わる側も残業をせずに業務をこなして教育も行う。無理ゲーでしかありません。

今までは残業時間を使っての教育方法が主流だったと思います。それが出来なくなった今では、教育方法を改善するか、

働き方改革を無視するかの2択しかないのが現実ではないでしょうか。

新人現場監督の教育係は適任者ですか?

あなたの会社に、入社後の新人研修ではなく、現場に配属されてからも新人を専門で教育する担当者はいるでしょうか。

通常は、現場に配属されたらその現場の上司が教育係になるのではないでしょうか。

その時、何度も新人の教育を行ってきたベテラン上司のいる現場と、

新人教育をした事がないまだ若い上司のいる現場にそれぞれ新人が配属されたとします。

二人の新人は、同じ様に成長できるでしょうか。

この問題は今に始まったものではなく、常に新人の現場監督についてまわる問題です。

配属された現場によって、配属された現場の上司によって、新人の運命は決まると言ってもいいでしょう。

新人も、学校の先生の様に、教えるプロの人から物事を教わるのには慣れていると思います。

それがいきなり良くてもセミプロ下手をすればノンプロの上司から物事を教わらなくてはいけないのです。

もちろん上司も一生懸命教えようと努力はしていると思いますが、

教育者としての視点に立った事のない人が効率よく教える事ができるわけがありません。

新人を効率よく成長させるには、適切な教育者が不可欠だと考えます。

新人現場監督の教育システムは構築されていますか?

 

 さて、先ほど教育者がいないと言いましたが、もう一つ足りないものがあります。

それは、教育システムです。

一人の新人を立派な現場監督(所長)に育て上げる。そこまでの教育システムを構築し、実践している建設会社は優秀だと思います。

効率的に現場監督を育てようと考えた場合、現場の着工のタイミングで配属をさせるのが良いと考える人もいますが、私はそう考えません。

何故ならば、着工時から配属させた所で、新人現場監督には何がなんだか分からないまま現場が進んでしまうだけです。

更に、着工時の仕事は若手に任せられる仕事は少なく、所長は多忙で新人を教育する余裕もありません。

新人を配属するなら、現場の進捗状況が安定し、現場所長の仕事がひと段落した現場の方が良いと思います。

つまり、新人の教育に上司が対応出来る現場に配属し、会社の定める教育システムに則り新人を教育して行く事が最も効率的なのです。

教育する時間を確保し、教育者を選任し、教育システムに則り新人を教育する。

そんな状態が作れたら理想です。

もちろん、現在の建設現場では不可能に近い話だと思いますが。

新人現場監督がやる気を出す工夫をしてますか?

 

 新人現場監督にとって、少しでも早く仕事を覚える事は、本人にとっても会社にとってもメリットしかありません。

しかし、新人の中にはそうは考えない人もいます。

何故ならば、新人の仕事の方が単純で楽な仕事が多く、責任も生じない。

そして、責任のある仕事を任されたとしても給料がいきなり増えるわけでもなく、単純に仕事量が増えるだけなので、

このまま楽な仕事だけをしていたいと考えて、新しい仕事に対して積極的にならない新人がいるのです。

昔ならば、新人に強制的に仕事を押し付けて、残業してでもやり切るように指導していましたが、

今はそんな事をしようものなら、パワハラだのモラハラだの精神的に病んでしまって休みがちになる等、

別の問題に発展してしまいます。仕事を覚えるほどに自分にとってメリットがあるという事を明確化し、

それをモチベーションに仕事を覚えるという習慣が必要です。

新人現場監督に魅力ある将来像を見せていますか?

 新人の現場監督に、最終的にどんな現場監督になって欲しいというビジョンは教える立場の現場監督にもあると思います。

しかし、段階的に又は具体的に何から覚えて、いつまでに何を習得すべきかと問われると難しいのではないでしょうか。

だからといって、新人の現場監督に最終形の現場監督の理想を教えたところで、

サッカー少年にメッシを観せて、「ああなれよ」と、言っているようなものです。

大事なのは、その為にまず何をすべきで、その次に何をして、と言うようにステップを踏ませる道標を見せてあげる事です。

ただ、今の現役の現場監督は、今の新人が教わるような環境で仕事を覚えたわけではないと思います。

今の時代の環境に合わせて段階的に教えていくとなると、むやみやたらに教えるわけにはいきません。

効率良く、新人の実力に合わせて実践的で即戦力となる教育を、、、なんて事を考えるだけでも自分の仕事に支障がでそうです。

教える事すらままならないのに、更に経験のした事のない教え方を編み出さなくてはいけないなんて、

一個人では難しいのです。ゆえに、現場に配属させて、その現場の上司が新人の教育係になるのは、非効率どころか理にかなってないのです。

教える側が見えてないビジョンを、新人に理解などできるわけありません。

まとめ

今回は、教える側、環境、教えられる側などの様々な要因についてお話しました。

そして、結論としては今までのやり方では現場監督は育てられないというものです。

では、一体我々はどうすればいいのか。

これは、会社だけで改善できるような問題ではないのかもしれません。

もっと、建設業界、社会全体の問題として取り扱わなければいけないのかもしれません。

ただ、だからと言って諦めるわけにもいかないのが現状だと思います。

会社や環境の違いで、問題点は様々かもしれませんが、

これから新人を教育していく為の方法や提案をこのブログでは発信していきたいと思います。

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