若い部下がなかなか育たない。うまく教育できない。コミュニケーションがとれない。そんなお悩みを抱えていませんか?
本記事の内容
- 部下を育てるにはコミュニケーションが最も大事
- 部下には「頑張れ」よりも共感が大事
- 部下は必ず成長すると信じる
- 上司・先輩は、上司・先輩面してはいけない
現役ゼネコン現場監督の私がしっかりと解説します!
会社にとって、人材育成は非常に大切な課題です。しかし、大切だとわかっていながらも徹底したシステムや教育法を実践している会社はどれくらいあるでしょうか。
会社全体で、新入社員を一人前にするまで面倒を見ているようであれば、それは素晴らしい会社だと思います。私の勤めている会社は違います。基本的に、同じ部署の配属先の上司が教育係になります。
しかも、会社から具体的な新入社員や若手の教育方法などを指示、指導受けられないままお任せ状態です。教える側の上司は自己流で教育しなくてはいけません。
上司にとって新人の面倒を見るというのは、お荷物を任された気分でしょう。しかし、最も不幸なのはその新入社員や若手社員たちです。本人達がどれだけ前向きに仕事に取組もうとしても、教える側の上司の指導・教育が下手くそだったら思うように成長も出来ません。
この記事は、会社にほったらかしにされた教育者(上司)と若手社員両方にとって有益となる内容です。自分自身、上司部下の為に是非最後まで読んでみてください。
部下を育てるにはコミュニケーションが最も大事
まず、教育うんぬんを言う前に一つ。人間は、会話(コミュニケーション)によって意思疎通が出来る生き物です。テレパシーが使えるわけでも、目線や仕草だけで相手に理解させる事も出来ません。
お互いに会話をしてコミュニケーションをとる事で、相手が何を考えていてるのかを知る事ができます。「コミュニケーションをとるのが苦手」という上司の方は、思い切って会社に言いましょう。
「私では新人の教育は出来ません」と。
言えないですか?会社にそんな事を言ったら何て言われるか大体わかりますもんね。「仕事」と「教育」は、全くの別物です。なので、「仕事」が出来る優秀な社員が「教育」についても優秀とは限りません。
社員教育に真剣に向き合っていない会社ほど、それを理解していません。「あいつは仕事が出来るから、あいつに教育係になってもらおう」と、役員や部長クラスの人は安易にそう考えてしまいます。
決してそんな事はないと思います。「人に教える能力」と、「仕事の能力」は比例しないと思います。もちろん、両方ともが優れている人もいるとは思いますが、必ずしもそうではないと理解しましょう。
「教育係」になる人は、決して優秀な先生とは限らないという事を、若手社員には理解してもらう必要があるという事です。お互いに未熟な部分があるという関係性の中で、お互いに成長をしていくと考えながらまずは円滑なコミュニケーションを取りましょう。
部下には、「頑張れ」よりも共感が大事
部下からの相談や悩み事を聞いた時に、安易に「頑張れ」と言うのはやめましょう。部下からすると、「頑張っているのにうまくいかないから相談してるのに」と、思われてしまいます。
具体的なアドバイスでもいいのですが、若い時の仕事の悩みというのはわりと時間が解決してくれる事が多かったりします。「俺もそういう時があったよ」と、共感してあげるだけでも十分です。
仮に、「そんな事は悩むような事じゃないのに」と思ったとしても、共感してあげましょう。部下は、「悩みを解決したい」と思って相談をしている場合と、「こんな悩みを抱えている事を知って欲しい」と思っている場合があります。
部下が具体的なアドバイスを求めて来ない限り、自分からはアドバイスはせずにただ頷いて共感をしてあげましょう。話を聞いてもらえたという事だけで、ストレスは軽減されるはずです。
部下は必ず成長すると信じる
私は、もう20年以上現場監督をしています。昔面倒を見ていた後輩も、今は立派に所長として活躍しています。そんな後輩に、最近入社2年目の若手社員が部下としてつきました。
現場監督の2年目は、まだまだ何もまともな仕事は出来ません。後輩なりに仕事が出来るように育てようと教育しているらしいのですが、思ったような成果は出ないようです。
そんな愚痴のような相談を聞いている時に後輩が、「僕がこうやっても、後輩はこうしてしまうんです。最近の若いやつは仕事に前向きにならないんですよね」と、言っていました。
私はその話を聞いて、私がその後輩の教育をしていた時に私が感じていた事を、今後輩が感じていると思いました。しかし、後輩は「自分も新人の時はそうだった」という認識がないのです。
という事は、今後輩が育てている2年目の現場監督も、決して自分では「仕事に前向きではない」と思っていないのではと思いました。「デキる人」から見た「デキない人」は、どうしても物足りなく見えてしまうのもです。
だからと言って、「本当にデキない」と判断するには早すぎます。事実、私が教育していた後輩は、私が教えていた時は物足りなかったですが、それから数年で「デキる現場監督」になりました。
自分の物差しですぐに決めつけずに、きっと出来るようになると思って接してあげましょう。
上司・先輩は、上司・先輩面してはいけない
あなたの会社の上司や先輩で、やたらと年上や先輩アピールをして威圧的な人はいないでしょうか。反対に、上司なのに腰が低くて接しやすい人はいないでしょうか。
あなたから見て、「いい上司」はどちらのタイプでしょうか。後輩になめられたくないとか、先輩として威厳を保ちたいなどの理由で後輩に対して高圧的な態度をとっていたらダサすぎます。
上司だから偉いとか、言う事を聞かないといけないという考え方は古いです。「それじゃあ会社の組織として統率がとれない」と、反論が聞こえてきそうですね。しかし、会社の組織で上に立つのは、能力のある人です。
能力がなければ上司だろうが先輩だろうが関係ありませんし、統率なんてとれません。実力のある人は、わざわざ自分の存在を誇示しません。そんな事をしなくても、周りが理解して接してくれるからです。
「こんなこともわからないのか」とか言って後輩をネチネチといじめて先輩面しているようでは、決して尊敬されません。こちらから何も言わなくても、尊敬される存在になりましょう。
まとめ
どんな人でも、上司になってから「上司とはどうあるべきか」を考えるものです。つまり、新人が新人として成長していくのと同時に、上司も上司として一緒に成長していくものなのです。
上司になった時点で上司として完成しているのではありません。上司の立場になったら、上司1年生になったと考えましょう。
多くの人は中々そういう考え方が出来ずに、ただ威張るだけで成長しないものです。優秀な部下を育てるには、優秀な上司が必要です。
「教育」というカテゴリーは「仕事」とはまた別の成長が必要ですが、会社には必要な存在です。あなたが、その存在になりましょう。