仕事は覚えられないし、現場に馴染めないので転職したいっス
新人や若手の現場監督の皆さんの中で、仕事に悩んで転職を考える人もいると思います。
もちろん、無理をして仕事を続ける事は良くない事なので、体調を崩したり精神的にまいってしまったのなら仕方ありません。
私が言いたいのは、現場監督の99%は一度、、いや、三度は転職を考えるという事です。
この記事を読んで、今のあなたの心の整理が出来れば幸いです。
現役ゼネコン現場監督の私がしっかり解説します。
X(旧Twitter)にて現場監督あるあるをイラストや漫画で紹介しています。
こちらまでどうぞ→ X(旧Twitter)(@shochou2022)
現場監督の仕事は「心技体」すべてが必要
現場監督の心技体とは
- 心・・・精神的なメンタル
- 技・・・仕事の知識や技術
- 体・・・持久力や集中力、現場で動ける体力
心・・・精神的なメンタル
現場監督の仕事が嫌になる理由のほとんどが、メンタルについてだと思います。
「上司との人間関係」「自分の立場、待遇」「会社の環境」「理想とのギャップ」などなど。
メンタルが落ち込む理由は様々です。
メンタルが落ち込みやすい人!いいですか?よく聞いて下さい。
その悩みはあなた個人の問題ではありません。
仕事上の悩みは、会社の悩みです。あなただけが抱えなければいけない悩みじゃありません。
そして、あなたが解決する必要もありません。
あなたはただ、強い責任感と自身の尊厳の為に戦っているかもしれませんが、そのせいで自分が壊れてしまっては本末転倒です。
上司が嫌なら変えてもらいましょう。
仕事がキャパオーバーなら助けを求めましょう。
改善できる点があるなら提案しましょう。
まずは、意思表示をする事が大切です。
その上で会社が何もしてくれないのなら、そんな会社は辞めてしまいましょう。
あなたが必要なメンタルは、どんな困難にも立ち向かえるメンタルじゃありません。
自分にとって困難な状況になった時、またはなる前にその意思表示を会社にする為のメンタルのみです。
弱音を吐く事は自分の事をよくわかっている証拠です。
そこから成長すればいいんです。
挫折しない人、悩まない人なんていません。それはごく普通の事です。
悩んで学んで、人は成長出来ます。
あなたの落ち込みは、そこから成長して這い上がる為のチャンスです。
それを実行する為の勇気を、この記事にたどり着いたあなたなら持っているはずです。
頑張りましょう!
技・・・仕事の知識や技術
仕事をする上で知識や技術は必須ですが、こればっかりは一朝一夕で習得できるものではありません。
むしろ「一生勉強」というモチベーションでいた方がいいです。
また、深く知識を頭に叩き込む必要はありません。
現場監督は「広ーーーく、浅ーーーく」が原則です。
あなたの脳みそにもキャパ(収容能力)が決まっています。
なんでもかんでも詰め込んだらすぐに一杯になって思考回路が停止してしまいます。
脳みそもパソコンと同じで、どんどんデータ(知識)を入れていくと動きが鈍くなります。
持論ですが、マジで専門的な知識は覚えなくていいです。名称を理解するくらで大丈夫です。
専門的な知識は専門業者さんが教えてくれます。
「そんな事も知らないの?」って嫌味を言われたって大丈夫です。
「その為にあなたが必要なんです!」って職人さんに言いましょう。(きっと喜ぶ)
知識の部分において現場監督が必要なのは、「その知識を正確に引き出せる引出しを持つ事」です。
知らない知識をいかに早く調べる事が出来るかがカギです。
その為に、知識が豊富な職人さんや業者さんと仲良くなるのは必須です。
だって、聞いたら教えてくれるなんてこんな最高な事はありません。
そういう職人さんを見つけたら、その人が仕事がしやすい環境を全力で作りましょう。
世の中ギブ&テイクです。
「こいつになら教えてあげてもいいな」と思ってもらえる努力は必要です。
さて、知識については解決したと思いますが、次は技術的な問題です。
これは「経験」以外に習得する方法を私は知りません。
逆に言えば、経験さえしてしまえば習得出来ます。
若手現場監督にありがちなのは、未経験の仕事を敬遠しがちな事です。
現場監督として仕事を続けるのであれば、必ずいつかは通らなくてはいけない道ならさっさと通るのが良いです。
何故ならば、経験が若ければ若いほど上司もサポートしてくれますし、失敗しても会社としては想定内の範囲だからです。
それを逃げて逃げて仕事が覚えられずに年数だけが経ってしまうと、今度は「出来ないヤツ」のレッテルを貼られてしまいます。
どんどん前向きに経験すれば、「あ、こんなもんか」ってなるはずです。
あまり乗り気がなかった飲み会に行ってみたら、意外に楽しかった的なやつです。
最初は嫌な思いをするかもしれませんが、それが仕事というものです。
どんな人でもはじめはうまくいかないものです。
「成功させる」なんて思わなくていいです。
「挑戦してやる」だけの心意気で十分です。
経験に勝る勉強はありません。技術は経験で獲得出来ます。
その一歩を踏み出すのは、あなたのその足です。
頑張りましょう!
体・・・集中力や持久力、現場で動ける体力
どんな仕事にも体力は必要だと思いますが、現場監督の仕事は多岐(たき)にわたる為解説します。
基本的にゼネコンの現場監督は8割デスクワークが主体です。
「定例打合せ」「官庁書類の作成」「図面チェック」「予算管理」などなど多くの書類や図面を作成しないといけません。
現場で動き回っている時間はほぼない(たまにはあるよ)と言っていいです。
しかし、当然現場監督は現場でも仕事はあります。
「工事写真」「出来形チェック」「施工精度確認」「安全設備の確認」「進捗状況の確認」などなど。
現場でもやる事は沢山あります。
最近は外注化や派遣の現場監督の活用で負担が軽減されてきていますが、それでも責任は現場監督にあるので油断は出来ません。
事務所仕事はデスクワークを地道に長時間行うので、集中力や持久力が必要です。これは地味に疲れます。
反対に現場ではあちこち動き回ったり、慣れない足場の上や危険な場所に行く事もあります。
シンプルに体力や筋力がないと、場合によっては命の危険すらあります。
このように、全く質の違う体力が必要な仕事です。
特に若手の現場監督は現場でくたくたになってから事務所で書類整理しようものなら大変です。
すぐ眠くなって睡魔と戦う部下をよく見ます。
現場監督は体力的にも何かに特化(マッチョになる)するのではなくバランスのいい体力作りが必要です。
私はいかに燃費よく仕事をするかを心掛けています。ダラダラするのではなくコンパクトに一気に集中します。
そして休憩を十分とってから現場で走り回る時もあります。
若い時は若さでカバーできるかもしれませんが、適度の筋トレや脳トレを日常的に行うことをおすすめします。
頑張りましょう!
まとめ
現場監督の心技体について解説しましたが、私のこの解説を読んで明日からの仕事の取組み方が少し見えてきたら幸いです。
この記事を読んでも何も響くものがなかったのなら転職もやむを得ないかもしれません。
ただ、私がこの記事で伝えたいのは「必ずあなたも立派な現場監督になれる」という事。
今はまだ道半ばなだけです。
いや、むしろ現場監督の仕事なんてずっと道半ばみたいなものです。
新しい工法やシステム、道具、社会環境。
現場監督の仕事の仕方もどんどん進化しています。
その度に新しい発見をして学んでいくものです。
ずっと道半ばなんだから今の現状を嘆(なげ)いてる場合じゃないですよ。
一緒に現場監督として成長していきましょう!