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若手現場監督専用

優秀な建設現場監督はここを観る

新米くん

現場監督ってどんな立場で仕事をするべきなんですか?何に気を付けて仕事をすればいいか教えて下さい。

こんなお悩みを解決します。

本記事の内容

  • 優秀な現場監督は建物のエンドユーザーを意識する
  • 優秀な現場監督は作業前の現場を必ず確認する
  • 優秀な現場監督は現場周辺の状況を確認する
所長

現役ゼネコン現場監督の私がしっかり解説します!

優秀な現場監督とそうでない現場監督の違いは「視点」にあります。建設現場の現場監督の仕事は多岐にわたります。それらを全て全力で取組む事は不可能です。なので、「ここだけはこの視点で観るべし!」という要点をまとめました。優先的に正しい視点で現場に取組めば、余分な仕事が増えなくなります。今回は、そんな現場監督の視点について解説します。

建物のエンドユーザーを意識する

※エンドユーザーとは、建物を最終的に利用する人の事です。

何故エンドユーザーを意識するのか

  • 世の中の商品は、ほぼエンドユーザーを意識しているから
  • 建物は利用価値がある事が前提条件だから
  • 誰が喜ぶのが一番いいかを考えるから
  • 現場監督しかエンドユーザー目線になれないから
  • エンドユーザーのニーズは時代と共に変化するから

建物(建築物)を建てる時に、

基本的には施主や設計事務所と打合せをして設計図通りに建物を建てます。

現場監督は、顧客の要求通りの建物の施工管理をするのが仕事です。

しかし、それは普通の現場監督です。それが間違っているわけではありません。

しかし、「優秀」と言われる現場監督は、

「要求通りの仕事だけすればいい」とは考えません。

要求通り+α」を目指します。

現場監督を長く続けていると、様々な建物の施工管理を経験します。

その蓄積された経験を基に、

時には顧客に提案をする事も場合によってはあります。

また、設計士や施主から相談を受ける場合もあります。

そんな時に、「この建物が誰にとって一番いい建物であるべきか」

を理解してないと良い提案は出来ません。

注文住宅の場合なら、

当然住宅に住む事になる施主でしょう。

店舗や施設ならば、働く従業員や、利用するお客さん。

賃貸マンションや分譲マンションは、住戸は住む人たち、共用スペースは管理する人たち。

という具合に、

実際に建物を利用する人の視点で考えるのが優秀な現場監督です。

そうでない現場監督は、

「設計図通り造ればいいのだから、設計士の言う事を聞いていればいい」と、

設計士の方ばかり観る人です。

それはただ、全ての責任を設計士に押し付けているだけの現場監督です。

本来は、施主と設計士と現場監督が協力し合って建物を完成させるのがあるべき姿です。

設計士はデザインや機能性を考えてこだわりを持って設計図を作っています。

しかし、時にエンドユーザーよりも自分のこだわりを優先してしまう時があります。

そんな時にエンドユーザーの目線で提案できるのは現場監督だけです。

実際には却下されてしまうとしても、

エンドユーザーが喜ぶ提案をしましょう。

提案時に注意する事は、

「エンドユーザーが喜ぶから」という視点を忘れずにその事を明確に主張する事です。

そうでなければ、設計士は「現場監督の都合のいい提案をしている」と、

誤解してしまうかもしれないからです。

意思表示はきちんと行いましょう。

また、エンドユーザーのニーズとは変化が早い時もあります。

設計段階では重要とされてなかった事が建設途中で重要なニーズになる時もあります。

その変化をくみ取り提案出来るのが優秀な現場監督です。

新米くん

誰の為の建物なのかを知る必要があるんですね!

建物別のエンドユーザーの例

  • 戸建て住宅       :施主(住む人)
  • 分譲マンションの住戸  :購入者(住む人)
  • 分譲マンションの共用部 :購入者及び管理会社
  • 賃貸マンションの住戸  :賃借人(借りる人)及び施主(貸す人)
  • 賃貸マンションの共用部 :賃借人(借りる人)及び施主(貸す人)
  • 施設(店舗・病院など) :施設利用者及び従業員
所長

住宅はわかりやすいけど、施設系は複雑です。

利用者スペースは利用者目線、

従業員スペースは従業員目線など色んな視点が必要となります。

そんな時は実際の従業員など専門知識を持った人に事前に確認してもらいましょう。

作業前の現場を必ず確認する

作業前の現場を確認する理由

  • 次工程の作業に移っても問題ないか確認する為
  • 作業が安全に行える状況かを確認する為
  • 作業員に対して注意事項や指示事項を正確に伝える為

現場監督は工程通りに現場が問題なく進捗しているかを

確認する必要があります。

ただ、確認時にありがちなのは、

作業が完了した状態を確認するだけで終わってしまう事です。

その日の作業が終わった事を確認するのは当然の事ですが、

少し視点を変えて確認をする事をおすすめします。

それは、次工程の作業が問題なく出来るかどうかを意識して確認する事です。

作業が完了すれば竣工するまで現場は次工程へと進みます。

次工程へと問題なく進める為には、

単に前工程の作業が終わっていればいいわけではありません。

たとえ上司に「作業が問題なく終わったか確認してきてくれ」と言われただけでも、

「次工程へ問題なく進めるか」を意識して確認しましょう。

つまりは、「要求通り+α」です。

新米くん

作業が終わった事と、次の作業に問題がないかを確認するって事か。

作業終了時の確認事項

  • 作業が予定通り完了している(内容・範囲・精度)
  • 作業後の片付け・清掃がされている
  • 安全設備の問題の有無(作業後の復旧など)
所長

更に次の事項を確認しよう

次工程を意識した確認事項

  • 次工程を行う範囲に不要な物がないか確認
  • 次工程を行う範囲の安全設備に問題がないか確認
  • 次工程の資材置き場・搬入ルートが確保されているか確認
  • 次工程の作業に必要な設備・段取りが整っているか確認

まず、その日の作業が問題なく終了している事を確認しましょう。

そして清掃状態、片付けが良好かを確認します。

安全設備に不備がないかも確認をすればその日の作業の確認は終了です。

ここまでで上司に「問題ありません」と報告するのは凡人現場監督です。

重要なのは作業が終了して次工程に問題なく進めるかどうかです。

なので、必ず次工程がどんな作業なのかを理解する必要があります。

次工程を行う視点で現場を確認して問題がなければ上司に報告をしましょう。

例えば、作業で使用した仮設材の脚立などが片付いていたとしても、

片付けた場所が次工程の資材置き場だったらいけません。

搬入ルートの邪魔になっていてもいけません。

また、残材などの引取り予定の資材の置き場などがある場合も

適正な場所に持っていく必要があります。

少なくとも次の作業の邪魔になる場所には何もない事を確認しましょう。

また、仮設材も次工程に必要な資材が揃っているのかも確認しないといけません。

当日になってから職人さんにあれがないこれが邪魔などと言われていたら

それだけで時間の無駄です。

次工程の作業に入った職人さんがスムーズに作業できるように事前に確認をしておきましょう。

現場は日々変化をしながら進んでいきます。

色んな業者が入れ代わり立ち代わり現場で作業する為、

先週まで片付いていた場所が今日も片付いているとは限りません。

また、仮設材(特に消耗品)の在庫管理もほったらかしにしてると欠品していたりします。

ある日突然、あるはずの資材がなくなっていたりする事もあります。

優秀な現場監督は職人さんと作業の為の打合せをしっかりと行い、

その職人さんがやってくる前日に現場を確認します。

そして、職人さんが問題なく且つ効率よく作業が行える環境を作り上げます。

よく職人さんが、「あの現場監督の現場には行きたくない」と言っているのを耳にします。

そういう時は、大体現場が作業しにくい(効率の悪い)環境になっているのだと思います。

効率よく作業が出来るという事は、

労力や時間(人件費)を掛けずに仕事が出来るという事です。

それはつまり、職人さんの利益にも直結してきます。

新米くん

作業が完了した場所だけでなく、次の作業に関連する場所も含めて確認するって事ですね!

現場の周辺状況を確認する

周辺状況を確認する理由

これは全ての建設現場に当てはまるとは言えませんが、

都市部や住宅街などの建設現場では必須条件と言えます。

都市部や住宅街での建設現場では、

土地の有効利用という理由で建物が敷地いっぱいに建てられる現場も珍しくありません。

現場の敷地内に、職人さんのまともな休憩所も設置できない現場もあるくらいです。

そうなると、前面道路に重機を設置したり搬入車両を停めたりと、

道路や歩道を使って作業をする事になります。

それだけではなく、

建設現場の敷地に接する近隣の状況でも作業環境は変わってきます。

優秀な現場監督は、

現場が始まる前に近隣の状況をよく確認します。

与えられた状況の中で、

どのように現場を進める事が出来るかを計画する為です。

また、近隣に迷惑を掛けないように工事を進める事も前提条件となる為、

その為の予算組や計画が必要となります。

ましてや建設反対運動などが近隣で起きているような現場だと大変です。

敷地の中の条件だけではなく、

敷地周辺の条件をよく観て建設計画を立てなくてはいけません。

また、工事が始まってからも近隣へのアプローチは積極的に行うのが優秀な現場監督です。

嫌われている相手にアプローチを掛けるのは嫌かもしれませんが、

近隣の人達に本当に嫌われてしまっては手遅れです。

コミュニケーションを取る事はとても重要です。

挨拶をするのはもちろんですが、

工事の進捗状況に合わせてこちらから近隣への要望を聞いたりする、

積極的なアプローチをする事で相手の不安や不満を少しでも解消するようにすると良いです。

コミュニケーションを取らずに、

相手のたまりにたまった不満をある日突然爆発させるよりマシです。

以外に話せばわかってもらえる事の方が多いです。

苦手意識で後回しにしてしまう近隣対策よりも、積極的な近隣対策を目指しましょう

まとめ

現場監督にとって観る視点を養う事はとても大切です。

視野を広げる事も大切ですが、

「何に注目するべきか」を理解する事が最も重要です。

私が一番に考えるのは、

「どうしたら自分が現場にいなくても問題なく現場が進むか」です。

職人さんが作業に来た時に、

現場監督がその場で指示をしなくてもいいような事前打合せ。

現場で何をすればいいかわかる指示書、図面の作成。

整理整頓された資材置き場。

安全作業が出来るように設置する安全設備、注意表示、などなど。

現場監督が走り回らなくてもいいような事前の段取りをどこまで極める事が出来るか

それが私のモットーです。(笑)

仕事のしやすい現場には、いい職人さんが集まるものです。

いい職人に、「あの監督はピントがずれてるんだよね」なんて言われないように気を付けましょう。

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