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鉄筋の定着長さとは?

鉄筋の定着長さとは、鉄筋がコンクリートから抜け出さないように埋め込まなくてはいけない長さの事です。RC造の建物は、柱・梁・壁・床すべてが鉄筋とコンクリートで作られています。鉄筋の配筋だけで考えた時、柱の配筋と梁の配筋の鉄筋同士は繋がっていません。

梁の配筋が、柱の配筋の中に埋め込まれています。

上の図の様に、梁の配筋は、柱の配筋の中にのみこんでいます。梁の配筋が柱の中にどれだけのみこまなくてはいけないのか。それが定着長さです。では、その定着長さはどのように決まるのでしょうか

上の図を見て下さい。大梁の定着についての図です。柱に大梁の主筋がのみこんでいます。そして、L2やL2hといった記号がありますね。この記号こそが、定着長さです。でも、これだけでは実際に何㎜のみ込ませればいいのかわかりません。そこで、下の表の出番です。

この表は、鉄筋の定着長さを求める為の表です。表には「鉄筋の種類」「設計基準強度」「フックなし」「フックあり」と、あります。つまり、鉄筋の定着長さを決める要素は以下の通りです。

  • 鉄筋の鋼材の種類がなんなのか。
  • コンクリートの設計基準強度はいくつか。
  • 定着する鉄筋の先端はフック形状なしか。
  • 定着する鉄筋の先端はフック形状ありか。

例えば、鉄筋の種類がSD345で設計基準強度が27Nだとします。先端はフックなし形状でL2の定着長さを知りたい場合、

このようにL2=35dとなりました。35dって何mmやねん!ってなりましたか?dとは、鉄筋の径の事です。Ⅾ25の鉄筋であれば、35×25=875mmというわけです。

このようにして、定着長さは求められます。L1,L2は鉄筋の定着を求める場合には必ず必要です。構造図で要求している長さがL1なのかL2なのかを理解しましょう。そして、表で何ⅾなのかを調べ、定着する鉄筋の径がいくつなのかがわかれば求められます。

ちなみに、定着長さを守ればどこにどうのみ込んでいてもいいわけではありません。定着長さと合わせてどう定着すればよいかも調べましょう。

まとめ

鉄筋の定着長さは計算をしないと求める事が出来ません。そして、鋼材の種類、鉄筋径、コンクリート強度によって長さが変わってくるので注意が必要です。同じ建物でも、例えば10階建てのマンションなら基礎と10階の躯体ではコンクリート強度は違うと思います。

なので、同じ鉄筋の種類、径であってもコンクリート強度の違いで定着長さが変わります。「コンクリート強度が変わったら定着長さが変わる」と覚えておきましょう

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